「牛乳はアンチエイジング飲料」「自家製お酢ドリンクが効果的」 意外に大事な「飲み物健康術」

ドクター新潮 ライフ

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忙しいときは牛乳と野菜果物ジュース

 具体的には、タンパク質は牛乳、乳酸菌飲料、豆乳に多く含まれています。食物繊維は、決して十分量とはいえませんが、野菜果物ジュースに含まれています。飲まないよりはだいぶマシです。

 従って、どうしても食べる時間がないほど忙しい時は、牛乳と野菜果物ジュースを飲んでしのぐのがお勧めです。ただし、味が濃いジュースには食塩(ナトリウム)、甘いジュースには甘味料が加えられているものがあります。食塩でいえば、WHOは1日あたりの摂取量を5グラム未満にすることを推奨していますが、現代日本人の1日の平均摂取量は10グラム以上に達しています。塩分や糖分がどれだけ入っているかは注意して見てください。

 なお、朝食を食べられない時は、「牛乳+野菜果物ジュース」を水などと合わせて500ミリリットルは飲んでください。冬でも睡眠時の発汗などで約200ミリリットルの水分が失われており、さらにその先の“貯金”として300ミリリットルを確保しておくためです。

刺激が欲しいときは強炭酸水

 また、更年期などの理由から女性ホルモンが不足しがちな女性が忙しくて食べられない時は、「豆乳+野菜果物ジュース」にするのがいいでしょう。豆乳には、女性ホルモンと似た働きをするイソフラボンが豊富に含まれているからです。

 女性に限らず若々しさを保ちたい人、アンチエイジングに励んでいる人に適しているのも牛乳や豆乳です。若さの大きな要素のひとつは体形であり、体形を支えるのは筋肉です。特に高齢者は、筋肉の元となるタンパク質をしっかり取らないとフレイル(虚弱)に陥るリスクが高まってしまいます。従って、タンパク質を多く含んだ牛乳や豆乳は「アンチエイジング飲料」ともいえるのです。

 さて、忙しい現代人は同時に睡眠時間も不足しがちで、仕事中なのに眠気が襲ってくることも少なくありません。眠気を覚ますためには強い刺激が一番です。強炭酸水はその刺激によって頭をシャキッとさせてくれます。そこにカフェインが加われば興奮状態になり、より目が覚めます。この場合、目的は眠気を吹き飛ばすことであって栄養摂取ではありませんから、カフェイン量の多いエナジードリンクを飲むのがお勧めです。

 食べる時間がなかったり、眠かったりする以前に、やる気が起きず、仕事場に行きたくないという場合もあるかもしれません。そうしたケースでは、気分をすっきりさせてくれる柑橘系の香りを持つことに加え、抗ストレスホルモンの生成に関与するビタミンCを含んだレモンに、刺激のある炭酸水を混ぜる、つまりレモンスカッシュが効果的です。そこに糖が少し含まれていれば、血糖値も上がってよりシャキッとします。

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