元中学校教師、酒豪…女性初、海上自衛隊で「海将」に昇進した近藤奈津枝さんはどんな人か

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潜水艦の衝撃

「近藤さんが自衛隊に応募した時、防大は女性を受け入れていませんでした。一方、海上自衛隊は、一般幹部候補生の課程なら女性も応募できました。一般の大学を卒業して採用されると、広島県江田島市にある幹部候補生学校に入学します。採用と同時に海曹長に任命され、教育が終わると3等海尉になります。こうして彼女の自衛官人生が始まったわけですが、当時、海上自衛隊の艦艇はトイレや寝室が男性のものしかなく、女性を受け入れることができませんでした。そのため近藤さんは、一貫して経理・補給部門を歩むことになったのです」(同・関係者)

 自衛隊の女性登用は、やはり諸外国と比較すると遅れているという。例えば、海上自衛隊で女性自衛官が護衛艦に配置されるようになったのは2008年。つい最近のことと言っていいだろう。

「近藤さんは優秀な人だと評判だったので、海将に就任されてもそれほど驚きませんでした。個人的には、2018年に女性自衛官でも潜水艦に配置されるようになった時のほうがびっくりしました。潜水艦は狭いので、男性だけで運用するしかないと言われてきました。アメリカでは10年から配置制限がなくなりましたが、あちらは原子力潜水艦なので図体が大きく、女性用の入浴施設もトイレも寝室も整備できます。一方、海上自衛隊の潜水艦はディーゼル艦なので手狭です。レイアウトは大変だったと思います」(同・関係者)

「近藤さんは豪傑」

 今では、女性自衛官をさらに増やすことが最重要目標の一つだという。

「海上自衛隊では23年にセクハラ問題が発覚しました。実のところ、ちょっと前までは『女性が乗っている艦は第一線級じゃない』といった陰口が聞こえてくることがありました。女性に対するセクハラや偏見を減らすためにも、女性自衛官を増やす必要があります。自衛官に応募する女性は、男性より確たる動機と強い意欲を持っていることが多く、結果として非常に優秀です。さらに、海上自衛隊の場合、慢性的な人手不足に悩まされています。もっと多くの女性に入ってもらいたいというのが現場の切実な声です」(同・関係者)

 ちなみに、近藤氏は酒席を好み、おまけに酒も強いという。ある時、場が盛り上がって全員が深酒してしまった。翌日、一緒に呑んでいた男性陣が二日酔いで苦しんでいるところ、近藤氏は涼しい顔で出勤。いつもと変わらぬ態度で勤務を始めたという。「近藤さんは豪傑です」と言われているそうだ。

デイリー新潮編集部

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