「岸田派解散」の後は「6月解散」に望みを託す岸田首相 次のポイントは4月28日

国内 政治

  • ブックマーク

政治の信頼回復のために

 話を今回の派閥解散に戻そう。今のところ、安倍派と二階派は解散、麻生派と茂木派は派閥解消せず、と対応が二分している。

「岸田首相は今回の政治刷新本部での議論が自身の政権を維持するための最後のチャンスと見て、大きな勝負に出てきたということになります。派閥解消の理由を“政治の信頼回復のために”と説明していましたが、政治改革やそれに関連する言葉が国民受けするキラーワードだということを認識した上での発言だったと思います。派閥解消に同調しなければ、旧態依然の勢力として国民から総スカンを食うとの見立てもあったのかもしれません」(同)

 一方で、別のデスクはこんな見方をする。

「今回の検察の捜査では、安倍派、岸田派、二階派の会計責任者らが起訴されましたが、立証の高いハードルに阻まれ、安倍派幹部らは訴追を免れました。これについて世間は概ね“物足りない”と反応しているように感じています」

権力闘争をサバイブできるのか

「岸田首相はそういった世間の声にも敏感でしょうし、ある意味で検察から“政治改革への期待”というメッセージを受け取ったものと理解して、派閥解消に打って出たのかもしれません。首相は原理主義者や堅物キャラとされてきましたが、それを見せつけた格好ですね」(同)

 今後、岸田首相は自民党内での権力闘争をサバイブできるのか。

「ハードルがあり過ぎますが(笑)、4月28日の補欠選挙がポイントでしょう。細田博之前衆院議長の死去を受けた衆院島根1区、今回の捜査で略式起訴された谷川弥一衆院議員の辞職を受けた長崎3区の補選は確定で、そこでの勝ち方・負け方いかんによっては岸田おろしに発展しかねないでしょう」(同)

 岸田首相としては、麻生、茂木の両氏を抵抗勢力と見立て、世間の支持に期待する狙いも見え隠れするが、

「今回の派閥解消表明は相当なサプライズではあるものの、そもそも岸田首相が国民にあまり支持されていない中で、どれくらい支持率に寄与するのか疑問視する声は大きいですね」(同)

 これまで以上に綱渡りの政権運営を強いられることになりそうだ。

 何をやっても起死回生とならない岸田首相の現状については、【関連記事】〈官邸にいるのにわざわざ防災服を着ていた岸田首相 新年会でもそのまま挨拶…かつて「わざとらしい」と言って防災服を拒否した首相がいた〉でもお伝えしている。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。