若手有望女優がまた一人去って…芸能事務所「スウィートパワー」で何が起きているのか
タレントが契約解除を求める
もともと岡田社長は、80年代に活躍したアイドル・河合奈保子の追っかけだったと言われる。女性タレントが将来売れるかどうかを見極める能力が優れており、瀬戸や内山の発掘・売り出しに成功している。もっとも、マネジャーには担当タレントを24時間管理することを指示するなど、厳しい指導も行っている。
「内山、堀北さん、黒木、桐谷らには自らが帯同して男遊びをするヒマもないほどガチガチに管理していたのです。結局、後々になってその管理法が裏目に出てしまったと言われている」(先の記者)
18年には甲子園を目指した元高校球児だった長身・イケメンの岡田健史(24=現・水上恒司)がTBS系ドラマ「中学聖日記」でデビュー。たちまちブレイクを果たしたが、岡田との法廷バトルなどが重なり、さらに苦境に陥った。
「岡田社長は、わざわざ自分の名字を芸名に付けるほど、彼に期待を寄せていました。しかし、岡田健史がほかの事務所の俳優と話をしているうちに、自分が薄給であることに気づき、不満が爆発したようです。当時、ドラマ『桜の塔』(テレビ朝日)に出演していましたが、寮を飛び出した上に事務所の送迎を拒否。現場でマネジャーと合流してもほとんど口を利かず、その話が広まり、『事務所と揉めているらしい』となり記事が出ました」(前出・ベテラン記者)
彼の不満は、岡田社長の作品選びにもあったという。とはいえ、岡田社長にすれば、岡田健史は寮生活で仕事は送迎車付き。若手俳優にしては、好待遇のつもりだった。
「その後、岡田健史は21年春、スウィートパワーとの契約解除を求めて裁判所に仮処分を申し立てましたが、23年3月末の所属契約満了まで活動し、満了後は契約を更新しないことで合意、和解が成立しました。岡田社長は裁判を避けるために彼を説得したり、懐柔したりすることはしない代わりに、事務所を出たら芸名を使わせないことを了承させたそうです。岡田は22年8月に、前倒しで退所。9月から芸名を本名の水上恒司にして活動しています」(同)
岡田の“反乱”に先駆け、もともと業務提携だった知英も21年3月に契約を解消。高杉も同年4月に、俳優の三浦翔平と結婚していた桐谷は22年3月に退所している。
「さらに、21年の春ごろ、社長の社員へのパワハラにより側近まで退社したことや、所属タレントへのセクハラまで報じられてしまいました」(同前)
続々と所属タレントが退所する中、“苦肉の策”というべきか、アニマル部門を設立するも、現在のところ所属は「ヴァニー」という犬と、「まる」という猫だけで、まだ“スター”を輩出できず。一方の水上は大活躍中。そして、黒木も昨年4月に退所してしまった。
「旧ジャニーズ事務所は、昨年、創業者のジャニー喜多川氏の性加害問題がクローズアップされ社名変更、所属タレントの相次ぐ退所などでかつての勢いはなくなりました。スウィートパワーも、創業者の岡田氏の“ワンマン体制”の弊害で、成長した所属タレントたちを押さえ切れなくなり、退所者が相次ぎました。岡田氏が1人で抱え込まず、タレントたちとの“仲介役”になるような人材を配置していれば、ここまで衰退することはなかったと思います」(前出のテレビ局関係者)
今後、この状況からどうやって巻き返しを図るのか。
「コロナも収まったし、地方でのスカウト復活もあるでしょう。あるいは、これまで実施してこなかったオーディションでタレントを発掘するのもいいのでは。何より岡田社長が柔軟な姿勢でまわりの意見や助言に耳を傾け、これまでやらなかった仕掛けで、何か話題を作って欲しいですね」(同)