月9「君が心をくれたから」は早くも苦境に…原因はせっかくのラブストーリーをぶち壊す“2人の特異なキャラ”
ワンクールかけて奪われる五感
「『真夏のシンデレラ』では萩原利久が意味もなく口と態度が悪い研修医を演じて、そこにばかり目が行ってしまいました。『ONE DAY』ではレストランに居残る警備の警官や愛犬を探す総白髪の佐藤浩市が気になり、雰囲気を壊していました。最近の月9は、こうした奇抜なキャラを必ず起用させることにしたのかと思ってしまいます」
しかも、“2人の案内人”は3カ月かけて雨から五感を奪うという。
「ちょうど1クールで五感を失うというわけです。いわば手塚治虫が描いた漫画『どろろ』に出てくる百鬼丸の逆パターンです」
生まれてくる我が子と引き換えに天下をくれと鬼神に願った父のせいで、身体の48カ所を失って生まれたのが百鬼丸だ。欠損部分を義眼や義手、義足などで補った百鬼丸は、妖怪を退治するたびに失った部位を取り戻していく――。
「取り戻していくのならともかく、五感をひとつずつ奪われていくのですから救いがない。第2話では味覚でしたが、この先、彼女はどうなってしまうのか。《過酷な奇跡》と公式ホームページでは謳っていますが、可哀想すぎる話と言うほうが……」
そしてロケ地も気になるという。
「物語の舞台が長崎なので、ロケ地も長崎です。長崎地区の初回視聴率は22・6%だったそうですから、地元の視聴者は見ているのでしょう。とはいえ、高校から九十九島(くじゅうくしま)観光公園に走っていくのは違和感が残りました。同じ長崎でも佐世保寄りで、車で1時間半もかかるところです。そもそも、なぜ長崎が舞台なのでしょう。視聴率は関東地区の数字で評価されるというのは、テレビマンの常識です。大ヒットした『silent』(フジ)の舞台は世田谷区代田で、世田谷線沿線のロケ地めぐりも人気になりました。地方ロケなどしなくても数字は取れるのです。それにつけても、なぜ月9は急にダメになってしまったのか……」