月9「君が心をくれたから」は早くも苦境に…原因はせっかくのラブストーリーをぶち壊す“2人の特異なキャラ”
濃すぎる“案内人”
相手役は、昨年の大河「どうする家康」(NHK)で勇猛果敢な本多忠勝を演じた山田裕貴だ。
「山田も19年前期の朝ドラ『なつぞら』でヒロイン・広瀬すずの幼なじみ役を演じて以来、民放の高視聴率ドラマを渡り歩いてきました。『ハコヅメ』では永野とも共演しています。昨年12月には『Yahoo!検索大賞2023 俳優部門』を受賞するなど、数字を持っている俳優です」
そして、主題歌には宇多田ヒカル。彼女が月9ドラマに書き下ろし主題歌を提供するのは、「HERO」以来23年ぶりという。これだけ豪華な布陣で数字が取れないのだ。
「番組の公式ホームページによると、本作は《“過酷な奇跡”が引き起こすファンタジーラブストーリー》なのだそうです」
初回、長崎の高校時代に出会った逢原雨(永野)と朝野太陽(山田)。幼少期に母親から虐待を受けたことで雨は自分に自信を持てずにいたが、太陽がそれを励まし、パティシエになるという夢を持つ。太陽には花火師になるという夢があり、10年後にそれぞれ夢を叶えて再開する約束をして、雨は上京。10年後、花火大会に合わせて雨が帰省するのだが……。
「その間、場面が10年前と10年後を何度も行ったり来たりするので、ストーリーがわかりにくい。ようやく再会したものの、どちらも挫折したことを打ち明け、ふたたび夢に向かって歩き出すという約束をした直後、太陽が交通事故に。助けを求める雨のもとに現れたのが“あの世からの案内人”で、『君が心を差し出すならば、奇跡を授けよう』というセリフには唖然としましたね。しかも、そう告げるのが、ヒゲ面の斎藤工と、やけに色気のある松本若菜だから、謎の二人が濃すぎてストーリーが頭に入ってこない」
二人の純粋なラブストーリーを期待していた人には興ざめだろう。
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