“私人逮捕系”“迷惑系”にはうんざり…ラファエル氏は「YouTubeは安泰でも、ユーチュバーはいつか淘汰される」と断言

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YouTubeは安泰!?

「TikTokは有名になるための起爆剤にはなりますが、有名になった人が収益を得られる場ではありません。また、僕がリーチしたい“大人層”に刺さらないことも大きいです。視聴者層はZ世代(1990年後半から2000年代生まれ)より下です。広告を見る層も圧倒的に若者ばかりです。YouTubeとTikTokは同じ動画サービスに位置づけられていますが、完全に別物という印象を持っています」

「TikTokに追い詰められ、YouTubeの人気は下がる一方だ」という指摘も散見されるが、ラファエル氏は「YouTubeは未来永劫、残ります」と断言する。

「あれだけ大量で、しかも長時間の動画を保管できるサービスを新しく作ろうと思ったら、サーバーを設置する場所を探すだけでも大変です。たとえ探せたとしても、サーバーの設置費用が馬鹿になりません。YouTubeに追いつこうと思ったら、後発企業は天文学的な投資が必要で、誰もそんなことはしません。YouTubeの優位性は変わりませんから、未来永劫、残ります。とはいえ、YouTubeというプラットフォームは不変でも、YouTuberという存在も残るかと言えば、そんなことはないと思っています」

AIアイドルの未来

 YouTuberという存在は動画作成に必要かもしれないが、ラファエル氏は「生身のYouTuberはいなくなってもおかしくないです」と言う。

「AIの技術が進化すると、必然的にバーチャルタレントのレベルも向上します。芸能界でも“タレント”という職業はかなり淘汰されていくと思っています。ましてYouTubeとなると、生身のYouTuberは、どんどんバーチャルタレントに置き換えられていくでしょう。2050年段階で、生身の人間とAIのバーチャルタレントが共演しているかもしれない。歌やダンスでも、BTSくらいに世界的な人気を誇るグループでも、全員がAIのバーチャルタレントという時代が来ます。今後50年という中長期的な視野に立てば、人間のYouTuberが淘汰されても不思議はありません」

 今でもVTuber(バーチャルYouTuber)の人気が注目されている。CGなどで作成されたキャラクターがYouTubeで動画配信を行うわけだが、今の技術ではキャラクターの声は人間が担当している。だが、AIの技術が進歩すれば、AIが声を担当し、人間と自由自在に受け答えすることが可能だ。

生き残る方法

 もし生身のYouTuberが淘汰されたとして、その時、ラファエル氏は何をやっているのだろうか。今は人気者であっても、バーチャルタレントが大活躍する時代になれば、仕事が皆無ということになってしまうはずだ。

「生身のYouTuberが排除されても、プログラミングだけは必要です。そのためコードを書ける人は仕事を失いません。もし生身の僕が淘汰されたら、AIのバーチャルアイドルを作成するのに必要なスキルを教えるスクールを開校すると思います。バーチャルアイドルの持つ権利などを管理する“マネジメント”を行う会社も作れるでしょう。要するに裏方の経営者をやればいいと思っています」

デイリー新潮編集部

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