“私人逮捕系”“迷惑系”にはうんざり…ラファエル氏は「YouTubeは安泰でも、ユーチュバーはいつか淘汰される」と断言

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BANされた過去

 結局、ルールを決めるのはYouTubeの親会社であるGoogleだ。いつでも突然、ルールは変更される。単に「過激な動画で再生回数を稼ぎたい」だけのYouTuberでは淘汰されてしまう可能性が高い。ラファエル氏は発信者としての“信念”が問われていると言う。

「今でも『俺は絶対にこれをやりたい』という強い想いを持つYouTuberがいます。例えば、タバコのポイ捨てを注意する動画を配信している人がいるんですね。本質的には私人逮捕系とそれほど違いはありません。違いがあるとすれば、想いの強さです。想いが強くないと批判に潰されてしまうでしょう。でも想いが強いと、たとえ炎上したとしても、謝罪などその後の対応で理解を得られる可能性があります」

 実際にラファエル氏も“信念”が問われたことがある。2019年1月、YouTubeの公式チャンネルがアカウント停止(BAN)されたのだ。

 ラファエル氏がブレイクのきっかけを掴んだ動画は「女性に100万円渡して誘ってみる」という、ある程度は物議を醸すような内容だった。その後も「バットをフルスイングして相手を殴ってみる」といった動画が人気となった。まさに“コンプライアンスとのせめぎ合い”で生まれた動画が少なくなかった。

数字の悪影響

「今から振り返ると、当時は再生回数が減少傾向を示し、自分の精神状態が普通ではありませんでした。SNSなどで『ラファエルは落ち目だ』という評価を見ると焦ってしまう。基本、何もかも1人でやっているので、防波堤になってくれるプロデューサーもいません。『この動画ならOK』という自分の規準が狂い、最終的にはBANされました。もちろん、私人逮捕系や迷惑系のように刑法に触れるようなことはしていません。かつてのテレビの深夜番組のような少し性的な要素のある動画と、やや暴力的な動画が問題視されたようです」

 何しろ今は、大晦日に放送されていた「笑ってはいけないシリーズ」(日本テレビ系)でさえ、その“暴力性”がコンプライアンス的に問題ありと見なされる時代だ。ラファエル氏のBANも複数のメディアが報じたが、その反響は意外なものだったという。

「言い訳ではないですけど、僕の場合はBANされて評価が上がったという実感があります。BANされた後、『ラファエルの動画で駄目なら、他のYouTuberも駄目なはず』とか、『なぜラファエルだけ見せしめにするのか』といった意見が投稿されたりネット記事で配信されたりされました。僕は淘汰されず、今でもYouTuberとして活動しています。BANされた経験で、信念を持って動画を配信しているYouTuberでも、再生回数や収益でおかしくなり、判断を誤ってしまうことがあると実感できました」

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