“私人逮捕系”“迷惑系”にはうんざり…ラファエル氏は「YouTubeは安泰でも、ユーチュバーはいつか淘汰される」と断言

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 前編【ラファエル氏が「千葉県内に引っ越し」は“ネタ”と告白 「広告収入が10分の1」になっても都内のタワマンに事務所を構えられる理由】からのつづき──。一説によると、“迷惑系”と呼ばれるYouTuberが日本で増加したのは2010年代からだという。(前後編の後編)

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 とはいえ、一般的には20年10月、大阪府警が威力業務妨害と信用毀損の疑いでYouTuberの「へずまりゅう」を逮捕したことで、その存在を知ったという人が大半ではないだろうか。

 昨年は特にYouTuberの逮捕が相次いだ。6月に警視庁が暴力行為法違反(常習的脅迫)や名誉毀損などの疑いで「ガーシー」を逮捕した。

 9月には大阪府警が建造物侵入の疑いでアメリカ国籍のYouTuber「ジョニー・ソマリ」を逮捕。YouTubeを悪用し、乱暴狼藉を働いて広告収入を得るという“迷惑系”は、洋の東西を問わず存在することが明らかになった。

 11月には“私人逮捕系”の「煉獄コロアキ」が名誉毀損容疑で、「ガッツch」を運営する男2人は覚醒剤取締法違反(所持)の教唆容疑で逮捕された。

 こうなると、もはやYouTuberの社会的地位は地に墜ちたように見える。だが、人気YouTuberのラファエル氏は「僕は私人逮捕系なら、あれはありだと思ってしまうんですよ」と一定の理解を示す。

「私人逮捕系の動画を見たことは一度もありません。見ても面白いとは思わないでしょう。やり過ぎちゃっているという指摘も分かります。相手にケガを負わせたり、自作自演だったという問題も指摘されました。そもそも普通に現行犯逮捕すればいいだけで、『動画を撮影する必要はないはずだ』という批判も正論だと思います」

“コンプラ”は絶対的な規準か?

 問題だらけの動画だとは分かっている。それでもラファエル氏は「私人逮捕系の動画で救われている人もいるはずです」と言う。

「泣き寝入りしている痴漢の被害者って、とんでもない人数でしょう。しかも、泣き寝入りしている被害者の数は毎日、増え続けています。私人逮捕系のYouTuberは、痴漢の問題を社会に訴えました。確かに動画を撮影し、配信する必要はないかもしれません。それでも反響は大きいですし、彼らが活動費を稼ぐこともできます。活動を継続することで、痴漢の加害者が減っていく可能性があります」

 YouTuberは自由に撮影したいと考えている。一方、運営側はコンプライアンスの徹底を求める。その“せめぎ合い”からしか動画が生まれないのは、YouTubeの宿命のようなものだという。

「飲食店でアルバイトの人たちが悪ふざけするような動画は、昔からずっとありました。もちろん、やっちゃいけないことです。でも、それを面白く見る人もいます。ニュースとして報道されて初めて批判が集中するわけです。アメリカの警察官が勤務中に歌を歌ったり、自宅で遊ぶ我が子を職務質問したりといった動画は、全世界の人が“面白い”と称賛します。でも、日本の警察官がやれば批判されるかもしれません。動画がコンプライアンスに抵触するかどうかは、国や時代によっても変わります」

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