ラファエル氏が「千葉県内に引っ越し」は“ネタ”と告白 「広告収入が10分の1」になっても都内のタワマンに事務所を構えられる理由

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広告収入は10分の1

 こうして多くの人々がYouTubeに参入するようになり、ブルーオーシャンはレッドオーシャン(競争相手の多い既存市場)に変貌した。ラファエル氏が競争の激化を実感したのは「2020年ぐらいから」だという。

「発信する側だけが増え、見る人の数は変わらなかったわけです。以前と同じ再生回数を稼いでも、分配の割合が減るから広告収入は減る。僕の動画はブルーオーシャンの時より格段にレベルアップしています。反響も以前に比べるとはるかに好意的です。それでも広告収入と視聴回数は減っていきました。たちまち周囲からも『広告収入が10分の1になった』とか『全収入が半分になった』という悲鳴が聞こえるようになりました」

 ラファエル氏に限らず多くのYouTuberは、今でも普段通り動画をアップしている。だが、その裏でGoogleから「この動画では広告が付きません」と警告が届くことが増えているという。

「ただでさえYouTuberに対する淘汰圧が強まっているのに、今やYouTubeのコンプライアンスはNHK並みと言っていいほどのレベルです。『この動画には経費をかけたのに、広告がつかないってどういうことだ』とみんな真っ青になっています。しかも年収1億円とか7000万円のYouTuberなら収入が半分になっても持ちこたえられますが、500万円の人は切実でしょう。今や人気のあるYouTuberでも年収100万円というケースは珍しくありません。これが今、YouTuberに起きていることなのです」

経営の王道

 広告収入の減少という荒波をラファエル氏は乗り切っている。以前から経営の多角化を進めてきたからだ。YouTuberとして人気を得た時から「YouTubeの1本だけでは何か起きた時に危ない」と考えていた。

「自分は経営者だと考えて勉強もしてきましたし、企業案件を受けて様々な経営者と話をする機会に恵まれました。そうすると、ごく自然に『事業の多角化こそリスクヘッジ』と考えるようになったんですね。何しろYouTuberには契約書も存在しません。自分の生活は自分で守る必要がある。ですから僕は今、約10の法人を経営しています。ジュエリー、ファッション、飲食、ネット上の風評被害を解決する会社……という具合です。これは僕に先見の明があったとかそういうことではなく、経営学の常識に沿っただけの結果です」

 ラファエル氏はYouTubeの「中」より「外」で稼ぐことが圧倒的に増えた。だが、それでもYouTuberとしての活動は続けるという。

「やはり原価ゼロで発信できるメリットは大きいです。YouTubeで存在感を示すことは、僕が経営している他の法人の利益に直結します。ただ、その一方で、中長期的な目標としては、YouTuberとしてだけでなく1人の“経営者”としても発信できるようになりたいと考えています。実は最近になってメディアの取材を受けているのも、“経営者”として発言できる素地にならないかと考えているからです」

 後編は“迷惑系”や“私人逮捕系”の跋扈で揺れるYouTubeの現在を見る。【“私人逮捕系”“迷惑系”にはうんざり…ラファエル氏は「YouTubeは安泰でも、ユーチュバーはいつか淘汰される」と断言】へつづく。

デイリー新潮編集部

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