首相の「岸田派解散」という奇襲攻撃で「派閥ゾンビ」にとどめを刺せるのか
サプライズを演じたい
「それはともかくとして、派閥について岸田首相は18日夜に岸田派の解散を明かし、大騒ぎとなりました。それまでは、派閥がカネと人事を差配している部分については改めていく方向で調整している程度のことが伝わってきていただけに、想定された以上に相当踏み込んだ内容でしょう」(同)
その後、安倍派、二階派も解消や解散を発表したが、それらの動きを真に受ける向きは永田町にはそう多くない。
自民党内では、約30年前の1993年に下野した後、全派閥が看板を外し、一旦解消の形を取った。が、その直後から“政策集団”が顔をのぞかせ始め、結局それが派閥として復活し、今につながる存在となった。
「そういった経緯がありますし、そもそも考え方が似ていて仲が良ければ自然と集まりができるのは永田町に限らない。派閥そのものが悪いわけではなく派閥のやることが悪いという視点で、それを抑制するというスタンスを官邸は見据えているようですが、それでは物足りないという判断を岸田首相がしているということでしょう」(同)
キーマンは菅氏
他に先駆けて岸田派が解散ということになれば、それに追随しない派閥は「旧態依然」のレッテルを貼られることになるだろう。
「これまでメディアは、“政治刷新本部はガス抜きでしかない”とのトーンで報じてきていましたが、官邸としてはそれをひっくり返すサプライズを演じたいとの思いがあったようです。その意味では今回の『岸田派解散』作戦は奏功していますね」(同)
そういった状況の中で、キーマンとなるのが政治刷新本部のもう一人の最高顧問、菅義偉元首相なのだという。菅氏は当初より脱派閥を訴え、存在感を示してきたようだ。
「最高顧問になるにあたって、思っていることを自由に言ってもらいたいと岸田首相からも言われているそうです。国民受けする内容ですから岸田首相も期待を寄せているとのこと」(同)
ただ、内輪では菅氏を本物の無派閥だと受け止める者ばかりではない。そもそも菅氏にもシンパのグループは存在している。
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