良くも悪くもビジネスライクな関係…綾部祐二が渡米しても「ピース」が良いコンビでいられるワケ

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綾部の渡米後も続くマイペース活動

 お笑いコンビの関係性というのは不思議なものだ。仕事の上では、互いに信頼し合っていないとコンビは続かないが、プライベートではほとんど付き合いがないというケースも珍しくない。

 大抵の場合、お笑いコンビは、相反する個性の2人がぶつかり合うことによって、化学反応を起こして新しい笑いを生み出そうとする。コンビを組む芸人は、それぞれに突出した個性を持ち、それが混ざり合うことで他人にまねできない自分たちの世界を作ることができる。

 ピースは完全にそういうタイプだ。それぞれが一度組んだコンビを解散していて、新しく組み直したコンビである。だから、良くも悪くも割り切ったビジネスライクな関係を保っている。幼馴染の芸人がコンビを組んでいるような距離の近さはない。

 だからこそ、綾部が渡米してからも、彼らはそれぞれが個々人で、自分らしいスタイルで活動を続けることができた。そして、いざコンビとして並んでみれば、それはそれで今まで通りの関係性を見せることができている。

 それぞれがマイペースに活動していて、その経験を重ねて今がある。ピースというコンビの第二章はここから始まるのだろう。

ラリー遠田
1979年、愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て、作家・ライター、お笑い評論家に。テレビ・お笑いに関する取材、執筆、イベント主催など多岐にわたる活動を行っている。お笑いムック『コメ旬』(キネマ旬報社)の編集長を務めた。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり 〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)、『逆襲する山里亮太』(双葉社)『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)など著書多数。

デイリー新潮編集部

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