ドリフ結成60年 国民が選ぶ「ドリフ大爆笑」傑作コント60選に入らなかった名作とは
キャンディーズが見たい!
こうして見てくると、楽しさと懐かしさで、いくらでも話が出来そうだが、「なんであのコントが入っていないんだ」と、不満の声がないわけでもない。
「『大爆笑』の放送が始まったのは1977年の2月ですが、実はその年の7月、キャンディーズが突然の解散宣言を行いました。『全員集合』では何度か共演がありますが、『大爆笑』では限られたものでした。メンバーの3人がハゲ頭の中年男に扮し、芸者遊びに来るのですが、いかりやさん演じる女将とのやりとりなど、絶妙なコントがありました。特にスーちゃん(田中好子)はコントセンスが抜群なので、もう一度、見たいなと思ったのは私だけではないはずです」(60代の男性会社員)
また、かつては伊東四朗(86)、小松政夫と絡んだコントもあり、その中にも絶妙なネタがあったという。葬式荒らしの小松が、お通夜の席に紛れ込み、適当に話を合わせながら、飲み食いを重ねる。やがて嘘を見抜いた未亡人役のいかりやが、棺桶の中にいる夫の仲本工事に、「あなた、本当にこの人知っているの?」と問いかけると、
「仲本さん、本番中に寝てしまったんです。棺桶の中から起き上がり、“わしは知らんぞ”というオチのセリフが間の悪いものになりましたが、そのままオンエア。芝居を続けた小松さんは見事でした。あと、とにかく笑い上戸の夫婦を仲本さんと伊東さんが演じて、その二人が葬式に来る、というコントも絶妙で面白かったですね。受付で記帳する際に、伊東さんが“ええと、何だっけ、熱海だっけ?”と、とぼけると仲本さんが“伊東でしょ”。このやり取りで笑い続けるんです」(前出・制作会社関係者)
最後に、「ドリフ大爆笑」といえば、画面から流れてくる、オバちゃんたちの笑い声も忘れられない。
「あの笑い声は、毎回、数人の女性に集まっていただき、実際に放送するVTRを見てもらい、そこで録音した笑い声です。コントもそうですが、笑い声も、手の込んだ作りになっていたのです」(前出・フジテレビ関係者)