ドリフ結成60年 国民が選ぶ「ドリフ大爆笑」傑作コント60選に入らなかった名作とは
実に3480作品
「60選の中に、なんで、あのコントが入っていないの?」
【写真】結成60年の重み…加藤、高木の元気な姿と往時のメンバーたち
50代超の熱心なファンの間で、議論が絶えないという。
2024年は、ザ・ドリフターズ結成60周年。そこでフジテレビ系では「ドリフ大爆笑~国民が選ぶベストコント60~」を2月12日19時から放送する。「ドリフ大爆笑」は1977年から98年まで放送された、フジの看板番組。ドリフといえば1969年から放送が始まり、最高視聴率50%超を記録した「8時だョ!全員集合」(TBS系)が知られるが、
「公開生放送で大仕掛けの舞台コントで知られた『全員集合』に対し、『大爆笑』はスタジオ収録で、舞台とは異なり作り込んだコントが魅力でした。どちらも、ドリフらしさが出ている番組ですが、コアなファンは、よりコントを作り込んだ『大爆笑』を好む傾向が高い」(番組制作会社関係者)
「大爆笑」で作られたコントは実に3480作品。そこで今回、番組スタッフがその中から60作品を選び、番組HPを通じて国民投票を実施(1人5コントまで)、「日本中から愛されたドリフのベストコント」を決めるという(投票は1月31日まで)。
「ドリフのコントは今見ても十分に面白く、世代を超えて楽しまれています。最近は、YouTubeで外国の方が『大爆笑』のコントを見ながら楽しむ動画がいくつもアップされていますが、国籍を問わず、楽しんでいる。言葉が分からなくても、動きや表情、仕草で笑ってしまうのでしょう」(放送担当記者)
実際、今回ピックアップされたベスト60のコントにも、動きを駆使したコントがいくつかノミネートされている。
伝説の「もしもシリーズ」
「松の廊下(忠臣蔵)」は、加藤茶(80)演じる浅野内匠頭が、吉良上野介(志村けん)の長い袴を引きずり「お待ちくだされ!」といって何度もひっくり返すというもの。バターンと大きな音を立てて転ぶ志村の演技は、今見ても凄いものがある。「剣道(公開コント)」では、いかりや長介演じる剣の達人が、ドリフメンバーの弟子を鍛える際、「あ、突いて。あ、突いて。あ、押して、あ、押して。あ、払って、あ、払って。最後は切る」と、リズミカルに剣を振り回す場面が懐かしい。
「加藤さんが別の番組で述懐していましたが、いかりやさんがこうしたリズムネタが大好きで、とにかくやりたがったそうです。『全員集合』での人気コーナー、ドリフの早口言葉もそうでしたね」(前出・関係者)
加藤と共にまだ元気なメンバー、高木ブー(90)の“名演”が光るコントもノミネートされている。急死した主人(高木)を前に、悲しみにくれるいかりやたち家族。そこへ、弔問客のフリをした葬儀屋(加藤)が入って来る。家族と一緒に泣きながら、高木の横に寝て棺桶のサイズを測り、最後に遺影を獲ろうと顔の上でフラッシュをたいたら高木が「あー、びっくりした!」と目を覚ます「臨終間際」。屋台のラーメンを食べに来たいかりやが、主人がいないので「ラーメン屋さん!」と呼ぶと、寸胴の中から出てくるブー。「スープの出汁取ってるの」と言われたいかりや、お約束の「ダメだこりゃ」で決める「ラーメンスープ(もしもシリーズ)」。もちろん、「雷様シリーズ」も見逃せない。
「もしもシリーズでは、志村さんが定番でやっていた『もしも具合の悪い~がいたら』というのがあります。今回は、芸者と蕎麦屋がノミネートされています。立てないほど病弱な芸者がお座敷に出て大騒ぎも面白いですが、生前の志村さんは、具合の悪い蕎麦屋のコントは、いかりやさんに初めて褒められたコントだったと、番組で語っていました」(フジテレビ関係者)
他にも「もしもシリーズ」はノミネートされており、ひどい乗り物酔いになり車内で嘔吐しながら最後は電車の窓から外に落ちてしまう「加トちゃんの車掌」。そして前述の諸外国のファンはじめ、今でも根強い人気を持つのが、客のいかりやを従業員が全力でサービス(?)する「威勢のいい銭湯」だ。
「ドリフのコントといえば、時の人気歌手や女優さんとの共演です。のちに単独番組でシリーズ化された『バカ殿』も、もとは『大爆笑』からでした。毎回、腰元の由紀さおりさん(75)に年齢を聞くのですが、殿の志村さんが『その方、歳はいくつじゃ?』と聞き、由紀さんが『12でございます』と答えると、殿が刀を手に『12の女が、命の母を飲むのか?』と返す。こんなお約束のパターンで楽しませてくれましたが、由紀さんのコメディエンヌとしての才能も垣間見えますね」(同)
「けんとナオコの夫婦コント」でも、夫の志村に精力をつけたい研ナオコ(70)が放つ、「な~ま~た~ま~ご!」が流行った。
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