実家がコミケ当日に全焼! それでも母は「あんたは会場に行け」と言った…美人コスプレイヤーの壮絶人生

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父の会社が破産、負債1億円、週7でアルバイト

 コスプレエリアに向かった。ミンミコさんがコスプレしたのは「ドラゴンクエストIV」の女勇者だった。

「写真を撮っている時は泣くのを我慢できるんですが、泣くのを堪えているのでレンズを睨むような感じになっているんですよ。それが勇者に合っていたのか『目つきがいいね』ってカメラマンに褒められたんです。でも、これ半泣きなんだよと思ったり」

 コミケが終わり、帰りの電車に乗ると涙がまたこぼれてきた。

「大学を卒業して、上京して好きなことをしようと思って1年で大阪の家が燃えて、私の人生って大丈夫なんだろうかと悲観的になってしまって」

 ミンミコさんの父方の祖父は自営業をしており、中学生までは普通の生活をしていた。しかし、会社の経営がミンミコさんの父に代わると経営は悪化しやがて破産。会社の負債は1億円を超え、住んでいた家も抵当に取られた。その後、母と一緒に住んだ祖父の家が大阪での唯一の寄る辺だったが、それも今回の火災で燃えてしまった。

「父は私の大学の入学費用も、お母さんや祖母祖父の貯金も全部使い果たしました。それなのに働かず、そういうビデオばっかり見ている。幼少期はいい父だったんですけど、お金って人間を壊すんですね」

 ミンミコさんは大学に入るもお金はなく、週7でアルバイトをした。だが授業料、さらに交通費が重くのしかかる。学校までの定期代が払えず、バイト先の飲食店の客に3万円を借りたこともある。とにかくお金に困っていた。

「好きなコスプレの仕事をしよう」

 そんな状況が変わったのは新型コロナウイルスの蔓延だった。オンライン授業になったことで、交通費もなくなり、時間に余裕もできた。

「大学に行きながら毎日アルバイトで忙殺されていました。そうすると河原で石を積み上げているのと変わらない気持ちになるんです。人生で一番を占める時間って労働。その労働でこんな非生産的な気持ちになるんだったら、私は好きなことをした方がいいと思って」

 そこで余った時間で配信を始めた。さらにアニメやゲームが好きだったことからコスプレをして配信すると少しずつ収入が増え、卒業するころにはなんとか生活ができるくらいになった。

「大学を卒業し、このまま就職しても今と変わらない。それだったら好きなコスプレの仕事ができるようにしようと思いました」

 上京後は専業のコスプレイヤーとして活動。TikTokでは8万人以上のフォロワーを抱え、企業の案件も入っていた。そんな矢先に、実家が燃えた。ミンミコさんは「振り返ると人生でずっとお金に困っている」とこぼす。

 そんなミンミコさんだからこそ、母はコミケ行きを後押しした。

「母は強いですよね。自分の生まれ育った家を失くして一番つらいのは母なのに。私だったら『今すぐ来て』って言っちゃいます。ツイートも気にしてくれているみたいで、深夜に『今、“いいね”これくらい付いているよ』と教えてくれます(笑)」

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