「4時間霧吹きで保湿しながらイルカを運搬」 水族館救出大作戦を職員らが振り返る【能登半島地震】

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 マグニチュード7.6の巨大地震で被災したのは、人間だけではない。震源地から遠くない水族館にも大きな被害が。人気者のジンベエザメが死に、残る動物たちも危機に陥っている。

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 能登半島はしばしば龍の頭に見立てられるが、石川県七尾市の能登島はちょうどその喉元あたり、七尾湾をふさぐように浮かぶ島だ。

 約40年前、その地にオープンした「のとじま臨海公園水族館」は県内唯一の水族館として人気の施設。目玉は大水槽を泳ぐ2匹のジンベエザメだ。しかし、今回の地震では同市も震度6強の烈震に見舞われた。

「常時スプレーをして保湿しながらイルカを運搬」

「建物自体に被害はありませんでしたが……」

 とは、同館の職員。

「一番の被害は配管の水漏れです。水槽の水位が低下し、海水を入れてしのいでいましたが、ろ過設備も止まり、水質が悪化した。そのためか、(ジンベエザメの)ハチベエとハクが亡くなってしまいました」

 これだけでも大損失だが、水族館では断水が続く。そのため、飼育が困難になった動物たちを近隣の施設に避難させたというのだ。

「カマイルカ2頭とゴマフアザラシ1頭、ウミガメ8匹を引き受けました」

 と言うのは、福井県の越前松島水族館の担当者。

「イルカは埼玉県の業者から借りた4トントラックで運搬しました。胸ビレを入れる穴の開いた担架を用意し、トラック内の水槽に運びました。水槽から背面が出てしまうので、乾燥を防ぐために常時スプレーをしなければいけません。荷台に4名の職員が付き添い、うちへの行程の4時間、世話をし続けました」

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