今では考えられない…大乱闘がきっかけで「牛乳のCM」に出演した“長嶋巨人の暴れん坊助っ人” 「カルシウム不足、していませんか?」が話題に
山崎武司と“ヘビー級対決”
巨人が6対0とリードした5回、ガルベスは先頭の山崎武司に対し、頭付近を通過する直球を投じる。山崎には4月17日に2安打を許し、この日も141キロ直球を右中間に運ばれているとあって、内角を厳しく攻めた結果、危険球になったようだ。
「(もし)いつものように踏み込んでいたら、頭に当たっていた」。山崎が血相を変えてマウンドに詰め寄ると、ガルベスも間合いを詰めながらグラブを外し、左手でパンチを繰り出した。カッカしていても、大事な利き腕を守るあたり、確信犯と言って良い。山崎も負けずにヘッドロックで応酬。107キロのガルベスに対し、山崎も86キロと、“ヘビー級対決”を思わせる乱闘劇になった。
両軍ナインも参戦し、32分間の中断後、張本人の2人は退場になったが、ガルベスは「殴りかかってきたのは向こうなのに、何でオレが退場なんだ」と大むくれだった。
ちなみに、ガルベスはこの事件がきっかけで、「カルシウム不足、していませんか?」という一般社団法人「Jミルク」のCMに出演して、話題となった。
騒動から1ヵ月後の6月1日、因縁の2人の再対決が実現する。1回1死満塁のピンチで山崎を迎えたガルベスは、徹底した内角攻めを行い、山崎も怯むことなく本塁寄りに立つ。そして、1ボールからの2球目がユニホームをかすめ、押し出し死球になった。互いに闘志をぶつけ合った力対力の勝負に、山崎も「向こうも野球人だからな」とエールを贈っている。
同年、ガルベスは斎藤雅樹とともにリーグ最多の16勝を挙げ、チームの2年ぶりVに貢献した。首位・広島を10ゲーム差で追う7月10日の直接対決では、自ら試合を決める中越えソロを放ち、4安打1失点完投の9勝目。ここから“メーク・ドラマ”が加速していった印象も強い。
[2/3ページ]