共産党「元最高幹部」が明かす「田村智子」が“初の女性党首”に抜擢された理由 過去には「拳を突き上げ“労働歌”を大熱唱」した“タムトモ”の意外な党内基盤

国内 社会

  • ブックマーク

不破「親衛隊」は留任

 もう一人のキーマンは、これまで「党の理論的支柱」として、党内に睨みを利かせてきた前議長の不破哲三氏という。

「今回の人事に不破氏の意向がまったく働いていないとは考えにくい。00年11月に志位氏と交代する形で委員長を退任した不破氏ですが、その後も党に対して隠然たる影響力を持ち続けてきたのは周知の事実。そんな不破氏の“お眼鏡にもかなった”ことで、田村氏の委員長就任が実現したと考えるほうが自然です」(筆坂氏)

 実際、党員のなかには「20年に亡くなった不破氏の妻である上田七加子さんが田村さんのことを気に入っていた」と話す者もいる。しかし今回の人事で、その不破氏も党指導部の中央委員会メンバーから外れ、「世代交代」を期待する声が党内の一部から上がっている。

「今月で94歳になる不破氏は事実上の引退と見られていますが、“不破氏の親衛隊”と呼ぶ者もいる浜野忠夫氏(91)と市田忠義氏(81)の両名は、今回の人事でも党の常任幹部会にとどまることになった。結局のところ、志位氏はおろか、不破氏の影響すらも残る結果になったと考えられ、“表看板”だけをすげ替えても、『革命党』としての共産党の本質は今後も変わらないでしょう」(筆坂氏)

 共産党の党員数は30年前には36万人いたが、現在は25万人にまで減少。トップ交代で退潮傾向に歯止めはかかるか。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。