東出昌大へのオファーが絶えない“意外な理由” 山での生活に見る俳優としてのポテンシャルとは

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 悪い人ではなく、悪気がない人がいちばんタチが悪い。東出昌大さんを見ているとそう思う。

 2020年に共演女優と不倫後、人気女優の杏さんと離婚。その翌年には新恋人のインフルエンサーをロケ先に同行させ、連日デートしていたことがすっぱ抜かれた。どうしようもない女好きというイメージだったが、意外にも俳優業は順調。最近は山奥での自給自足生活が注目を集め、来月は東出さんの狩猟生活に密着したドキュメンタリー映画も公開されるという。「めざまし8」でも特集が組まれ、大きな反響を呼んでいた。

 番組内では、地域の猟師仲間に溶け込み、忘年会や餅つきで笑顔を見せていた東出さん。彼の生活に憧れて引っ越してきたという3人の後輩女優にも囲まれ、実に楽しそうである。自分の子どもには会えていないとこぼす場面もあったが、別れた家族について語る時には寂しさというより緊張感も漂う。

 30過ぎて子どもまでいるのに山奥で自分探しか、と辛辣な見方もできる一方で、世はソロキャンプブーム。人里離れた場所で営むしがらみのない暮らしに、憧れを抱く人も多いのではないだろうか。

 生活力のある好青年か、ただのだらしない男か。東出さんに対する印象は真っ二つだ。とはいえ、不倫騒動前の東出さんといえば、「ぼんやりとしたイケメン」にとどまっていたように思う。もともとモデル出身ということもあり、見栄えはいいが「棒演技」と揶揄されることも度々だった。そんな東出さんがなぜ、スキャンダル後も仕事のオファーが絶えないのか、ようやく見えたような気がするのだ。

得意なのは「エリート役」? 良くも悪くも素直すぎる性格が下支えする無味無臭の存在感

 東出さんの当たり役を見ていると、「エリート」役が多いことに気付く。俳優デビュー作となった映画「桐島、部活やめるってよ」では、冷めているが運動神経が良く、モテモテの1軍生徒役。朝ドラ「ごちそうさん」では偏屈な帝大生、映画「聖の青春」では羽生善治さんを熱演していた。昨年はWinny開発者の金子勇さん役を演じていたのも記憶に新しい。

「クローズZERO」や「GONIN サーガ」のようなアウトロー作品にも出てはいるが、どうも爽やかすぎるのだ。怒鳴っていても熱や臭みを感じないのである。

 その無味無臭なたたずまいが、「棒演技」という評価のゆえんなのだろう。でも無味無臭だからこそ、エリートの持つ「育ちの良さ」を体現できているともいえる。それは演技力というよりは、彼の性格に負うところが大きいように思うのだ。

 不倫やロケ先デート、突然の山ごもりといった行動を見る限り、東出さんというのは目の前の刺激にすぐ飛びつきがちな人なのではないだろうか。杏さんとのなれそめも、まだ無名だった東出さんから、パリの路上で声をかけたのがきっかけだったという。不倫報道後の記者会見では、妻と愛人どちらを好きかと問われて口ごもる姿が報道された。計算して物事を処理できない、欲望に素直すぎる性格のように見受けられる。

 今、ここでの気持ち良さしか考えられない。だからぐじぐじ・うじうじした卑屈さや屈折が無く、エリートたちからにじみ出る「育ちの良さ」を体現できてしまう。「コンフィデンスマンJP」では役名まで「ボクちゃん」と、東出さんにぴったりだった。あれほど女性関係にだらしなくても、スレた生活感が出ないのは、「悪い人」ではなく「悪気がない人」だからなのだろう。

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