岡田阪神「アレンパ」のカギを握る4年目「佐藤輝明」 キャンプで「強化せなアカンよ」発言の真意

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「強化せなアカンよ」

 新年を迎え、岡田監督はメディアを中心に、多くの新春会談に呼ばれた。相手はトラ党のタレント、女子プロゴルファー、阪神OB、同OB会のドン・吉田義男氏(90)などさまざま。内容は23年ペナントレースの快進撃の回顧、24年シーズンへ向けて主力選手への期待、そして、今季の展望など。具体的な選手名を挙げながら、どれも前向きな内容ばかりだったが、なぜか佐藤については、正月のスポーツ紙の対談記事で、相手の阪神OB・赤星憲広氏(47)から、今年の春季キャンプで佐藤に三塁の特守をさせるかと問われると、

「強化せなアカンよ。キャンプで徹底的に。(22年秋、23年秋は侍ジャパンに選出されて)全然、チームにおらへんもん。秋季キャンプは2年連続で。侍ジャパンの試合ばっかりやから」

 と、体力不足を指摘した。さらに赤星氏が、3月6~7日に予定されている侍ジャパンと欧州代表との強化試合で「阪神の選手も何人か選ばれるはずです」と続けると、

「佐藤は(侍ジャパンに)選ばれても、8番、サードではな。(日本代表監督の)井端監督もやっとわかったんかな(笑い)」

 23年11月に行われたアジアプロ野球チャンピオンシップ決勝の韓国戦で、それまで5番だった打順が、8番になったことをあえて指摘した。

 これに関連する情報もある。残留が決まったノイジー(29)だが、岡田監督は主にレフトを任せてきた。しかし、その外野守備を見て肩の強さを確信。佐藤が打撃不振に陥っていた昨シーズン中盤、ノイジーをサードで起用することを何度か考えたという。佐藤は昨季、129試合も三塁の守備に就いたが、失策数は「20」。リーグワーストは同じく三塁手のヤクルト村上宗隆(23)の「22」だが、この2人は突出して多い。

 赤星氏との対談で岡田監督は、チームのハワイ優勝旅行中の内輪話として、「朝5時半から筋トレをしていたで。才木と岩貞か。終わってから公園でもキャッチボールをしてな。グラブを持参しただけでも凄いよな」と褒めた。そして、佐藤が優勝旅行を早く切り上げて、米国本土の練習施設に行ったことを聞かれると、

「それは知らんがな」

 と、一蹴した。ここまで佐藤に厳しく言うのは、佐藤に「物足りなさ」を感じているからだが、こんな見方もできる。

「岡田監督は、チームの底上げが出来るかどうかで連覇が決まると語っていました。しかし、阪神は大掛かりな補強はしていません。現役ドラフトで漆原大晟(27)を獲得後、フロント編成部は『開店休業』状態でした。」(前出・在阪記者)

 佐藤を「強化せなアカン」と感じたということは、もっと大きな伸びしろがあると、捉えているのだろう。対談にあったように、佐藤が優勝旅行を途中で切り上げて、米国・シアトル市郊外にある「ドライブライン・ベースボール」で打撃向上に取り組んだのは本当で、その様子は関西ローカル局でも放送されている(1月15日)。

「ドライブライン・ベースボールでは動作解析を行い、体のどの部位を強化すべきか、打撃動作でどこに注意すべきかを的確に教えてくれます。もちろん、そのために必要なトレーニングメニューも作ってくれます」(米国人ライター)

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