韓国で「日本ビール」が大人気 1年で250%輸入増、“放尿映像”も影響した3つの要因
ありえない“敵失”
そして最後の3つ目の要因は“敵失”、中国ビールの没落だ。昨年の夏頃までは、韓国での青島ビールの売り上げはそれほど悪くなかった。CMの「羊肉と中国料理にはなにより青島」というコピーが人気を集め、中国料理店では青島ビールを飲む人が急増した。
しかし昨年10月、青島ビール、いや中国ビールの没落を招く事件が発生した。中国現地の青島工場で、ある男性がビールの原料保管場所に放尿する映像がネットに流れたのだ。この映像は瞬く間に世界に広がった。青島ビールの時価総額は1カ月で67億元(約1兆2300億ウォン、約1349億3500万円)減少したという。
当然ながら、韓国での青島ビールの売り上げと輸入量は激減した。問題の映像が公開された2023年10月の売り上げは約66億ウォンと、9月の125億ウォンに比べて半分程度になった。11月の売り上げはランキングの10位以内にも入らず、公開すらされなかった(10位の売り上げが40億ウォン台だったので、それ以下である)。昨年12月と今年1月の売り上げはさらに下落するといわれている。
もともと中国産の食品には衛生面で問題があるというイメージが強かった。そこへの放尿映像は決定的だった。
結果、日本のビールが急激に売れる事態となった。今年はアサヒのノンアルコールビールが国内で本格的に発売される予定だ。日本ビールのシェアはさらに拡大するだろう。
約4年前までは「NO JAPAN」という狂気で、日本産を無視していた人たちが、現在は日本産ビールの売り上げ上昇を牽引している。