韓国で「日本ビール」が大人気 1年で250%輸入増、“放尿映像”も影響した3つの要因

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「NO JAPAN」で不遇も

 2018年までの時点でも、日本ビールの売り上げは決して悪くなかった。コンビニやスーパーでは、アサヒ、サッポロ、キリン、サントリーなどの缶ビール(500ml)が4本1万ウォンで買えた時期もある。

 しかし、2019年に文在寅(ムン・ジェイン)政権下で日本製品不買運動「NO JAPAN」の波が起こった。日本のビールを販売する業者も購入する消費者も「売国奴」と非難された。日本ビールの売り上げは急落した。ほとんどの店舗の店頭から消え、買うことは容易ではなかった。

 アサヒビールを輸入していた「ロッテアサヒ酒類」は、2019年末にリストラを断行してもいる。それほど経営が厳しくなったのだ。2020年のコロナパンデミック以降「NO JAPAN」の勢いは消えたが、それでも消費心理は回復せず、売り上げは停滞していた。

V字回復を成し遂げた「ある商品」

 ところが韓国で日本ビールの売り上げがV字回復。トップをうかがうほどになったのは、3つの決定的な要因がある。

 ひとつ目は日本に旅行する韓国人が増えたことだ。日本政府観光局(JNTO)によると、2023年1~11月までに日本を訪れた外国人観光客は2233万人。そのうち全体の27.7%である618万人(27.1%)と、韓国人旅行者が最も多かった。福岡の博多や大阪の難波を歩いていると、「ここは日本人より韓国人のほうが多い」と感じるほどだったとも聞く。

 日本を旅行して、日本の料理と酒に親しんで帰国すれば、日本で食べた味が懐かしくなる。当然、日本ビールに食指が動く、というわけだ。

 ふたつ目はアサヒスーパードライの人気だ。昨年5月に輸入が始まったアサヒスーパードライ生ジョッキ缶は、韓国内で旋風を巻き起こした。コンビニやスーパーでは品薄が続き、中古取引サイトでは、2倍以上のお金を払ってもこのビールを買うというコメントもしばしば見られた。ブログやコミュニティ、SNSでこのビールが売られている場所の情報のシェアや、ビールを飲んだレビューに関するポスティングが人気を集めた。

 アサヒスーパードライ生ジョッキ缶は、日本ではコンビニで簡単に購入できたが、韓国への輸入は数が限定されていたため取り合い状態になった。昨年末から韓国への輸入量が増えたものの、依然として人気を保っている。ジョッキ缶を買った会社員のシン・ジョンテさん(38)は「缶の蓋が一気に大きく開くのがすごい。韓国ビールでは味わえない“ビールらしい強い味”が感じられて虜になってしまった」と話してくれた。

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