山口組分裂の「停戦の使者」と取り沙汰されてきた「浪川総裁」の逮捕劇
オーストラリアへ旅立つその日に
そもそも発起人とは、株式会社の設立を企図し、資本金を出資した人物のことを指す。株式会社の設立が完了した際には株主となる。
「浪川総裁が発起人であったのが事実なら、この会社の株主となっているはずで、その意思決定に深く関わっている可能性が高いと府警はみており、身柄を取って調べるべきだと考えたのでしょう」(同)
当局の狙いを総裁側は察知していたのか、竹垣悟氏(NPO法人主宰、元山口組系暴力団組長)によると、
「逮捕当日の13日、浪川総裁はオーストラリアへ旅立つ予定だったと聞きました。電磁的公正証書原本不実記録などの逮捕容疑はあくまでも“入口”的なもので、実際は浪川会の資金構造をつまびらかにしたいという当局の狙いがあるのでしょう」
もっとも、仮に怪しいカネの流れがあったとしても簡単に捕捉されるようなものではなさそうで、起訴に持ち込むことは難しいとの見方が強いようだ。
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