実はキワモノではなかった…あのちゃんのブレークが2024年も続くと思う理由

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

発言や振る舞いのバランス感覚が絶妙

 彼女がバラエティ番組でブレークするきっかけの1つになったのは、人気番組「水曜日のダウンタウン」(TBS系)のドッキリ企画だった。生放送の情報番組「ラヴィット!」にゲストとして出演したあのが、芸人たちの指示をこっそり受けて次々と奇抜な回答を出していったのだ。彼女の得体の知れない雰囲気がそのまま生かされた名企画だった。

 そんなあのの本音が垣間見えたのが、1月11日放送の「アウト×デラックス2024 鳥肌が辰!? 最強アウト集結SP」(フジテレビ系)だった。ここで彼女は、マツコ・デラックスに対して「かっこいいから好き」と憧れを抱いていることを告白して、共演歴があり旧知の仲である山里亮太に対しては「自分がキモいの忘れてない?」「自分がゲテモノって気付いてほしい」と激辛のエールを送っていた。

 あのは、バラエティに出ているときの発言や振る舞いのバランス感覚が絶妙だ。それも単に無難にまとまっているというのではなく、危なっかしいようで実は安定している、という感じ。補助輪付きの自転車よりも、補助輪なしの自転車の方が軽やかに走れるというのに近い。

 キワモノのようなイメージで見られることもあるが、彼女がテレビの世界に新風を吹き込んでいるのは間違いない。大型特番に立て続けに出演した年末年始を経て、2024年も彼女にとって充実した年になりそうだ。

ラリー遠田
1979年、愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て、作家・ライター、お笑い評論家に。テレビ・お笑いに関する取材、執筆、イベント主催など多岐にわたる活動を行っている。お笑いムック『コメ旬』(キネマ旬報社)の編集長を務めた。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり 〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)、『逆襲する山里亮太』(双葉社)『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)など著書多数。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。