「東京で危ないエリアは…」 能登半島地震で「住宅全壊」多数の理由と「次に危ない場所」

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 能登半島地震の犠牲者の死因は、ほとんどが住宅内での圧死。1階が押しつぶされ、屋根が地面に落ちる……全壊状態となった数多くの家屋はテレビに繰り返し映し出されていたが、その背景にはこの地域が抱える特殊な事情があった。

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「家がペチャンコにつぶれることをクラッシュと言いますが……」

 と防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏は話す。

「能登地方は現在の新耐震基準を満たさない建物が多い。現行の新耐震基準は1981年に改訂され、震度7でも倒れないように、としてありますが、輪島市や珠洲(すず)市などではそれ以前に建てられた木造住宅が多数残り、これらが揺れに耐えきれず、クラッシュしてしまったとみられています」

「雪に強い構造だが…」

 能登は歴史的に地震の頻発地域ではない。むしろ生活の脅威は「雪」であった。

「北陸地方は豪雪地帯。そのため、家屋は冬の積雪に耐えられないといけません。屋根は雪が流れ落ちるように勾配を急にし、瓦を載せて、その結果、頭が重い構造になっている。雪の重さによる縦方向への力には耐えられる構造なのですが、逆に大きく横に揺れる動きには弱いのです」(同)

 加えてここ3年ほど群発地震が相次いでいた。

「普段加わらない力が数年にわたりかかっていた。その結果が今回のクラッシュだったと思います」(同)

 元東京消防庁消防官で防災アナリストの金子富夫氏も言う。

「2007年にも能登半島では震度6強の地震があり、その時に現場に行きましたが、当時も古い家がたくさん倒れていました。瓦が重く、急勾配の『入母屋(いりもや)造り』の家屋が被害に遭っていましたね」

 実際、今回甚大な被害を受けた輪島市や珠洲市の耐震化率はそれぞれ46%(22年度末)と51%(18年度末)。全国平均の87%(同)と比べるといかに低いかが分かるであろう。

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