「原監督との差は大きい」 箱根駅伝で敗れた駒大・藤田監督が自ら敗因を分析
「箱根は別物と感じた」
とは、今季から駒沢大学の指揮を執る藤田敦史監督(47)の敗戦の弁である。
昨季の駒大はすごかった。箱根は4区以降首位を譲らず優勝。出雲駅伝と全日本大学駅伝と合わせて3冠を達成した。今季も出雲と全日本で1区からゴールまで首位。大学三大駅伝5連勝中で、延べ23区間にわたりトップを守り続けていた。
つまりこの1年、他校の背中を見たことがなかった。
“事件”が起きたのは3区。かように圧倒的強さを誇る駒大が青山学院大学に抜かれたのだ。しかも抜かれたのは、20歳未満の1万メートル日本記録保持者で絶対的エースの佐藤圭汰(2年)だった。
「今季ずっと先頭を走ってきたので、後手に回って動揺が走った」
とは藤田監督。浮足立った足は復路でも戻らず、総合2位に泣いた。
「2位狙いでいい」
そんな駒大を破ったのは、原晋監督(56)擁する青学だ。
原監督といえば毎年、コテコテな作戦名を掲げることで有名だが、今年のそれは「負けてたまるか!大作戦」だった。
ところが、である。本番5日前のミーティングで原監督、選手たちに、
「2位狙いでいい」
と宣(のたま)ったのだ。
作戦名とかけ離れた弱気指令。だが、これが逆に選手たちのハートに火をつけた。3区で駒大を抜いたのは前述の通り。4区、5区も首位を守り、往路を制す。
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