「大恐慌の時代は良かった」――「経営学の神様」ドラッカーが戦前のアメリカを評価した「意外な理由」

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 1929年にアメリカの株価暴落をきっかけに始まった大恐慌。その苦境からアメリカが完全に立ち直るのは、第2次世界大戦を待たねばならなかった。

 しかし、戦後の国際政治学をリードした高坂正堯氏(1934~1996年)によれば、「経営学の神様」とも言われたピーター・ドラッカーは、戦後の好景気に沸いたアメリカよりも、戦前の大恐慌に苦しんだアメリカの方が良かったと語っていたという。
 
 それはなぜか――高坂氏が1990年に行った「幻の名講演」を初めて書籍化した新刊『歴史としての二十世紀』(新潮選書)から、一部を再編集して紹介する。...

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