政治刷新本部のメンバー38人の中で、これまでカネの問題を指摘されたのは20人 岸田首相はなぜこんな人選をしたのか

国内 政治

  • ブックマーク

運動員が買収容疑で逮捕された元大臣

 東京地検特捜部は翌15年、約3億2000万円の収支を政治資金収支報告書に記載しなかったとして、小渕氏の元秘書2人を政治資金規正法違反罪で起訴。一審の東京地裁は有罪判決を下し、これが確定した。一方、小渕氏は不起訴だった。

 特捜部が家宅捜索を行った際、複数のハードディスクが電動ドリルで破壊されていたことも注目された。これを踏まえ、日刊スポーツ(電子版)は11日、「『ドリルの使い方でも指南?』小渕優子氏の自民党『政治刷新本部』メンバー入りにSNS疑問の声」という辛辣な記事を配信している。

 副本部長を務める元デジタル大臣の平井卓也氏は、00年に支援者2人が公職選挙法違反(買収、事前運動)の疑いで逮捕。05年にも運動員2人が同法違反(供応、事前運動)の疑いで逮捕されている。政治資金パーティーについても、22年に政治資金収支報告書の不記載を巡って刑事告発されたが、高松地検は不起訴処分とした。

 衆議院議員の島尻安伊子氏は15年、「10年に行われた参議院選の前、顔写真や名前を記載したカレンダーを有権者に配ったが、政治資金収支報告書に記載がなかった」と刑事告発された。

“エッフェル姐さん”もメンバー

 参議院議員の太田房江氏は、大阪府知事だった07年、母親や親族が住むマンションを自身の政治団体の事務所として経費計上していたほか、府内の中小企業経営者が作る懇親会の会合に11回出席し、講演の謝礼として計883万円を受け取っていたことが判明した。

 1回あたりの謝礼が50万円から100万円という額には多くの批判が寄せられ、太田氏は3選を目指した府知事選への出馬を断念。そして今回、朝日新聞のスクープ記事でも裏金疑惑が報じられた。

 全国紙など主要メディアに「問題のある政治献金」と報道されたことのある議員については2人を紹介しよう。総務会長の森山裕氏は15年、談合のため鹿児島県の指名停止措置を受けた複数の業者から献金を受け取っていたことが発覚。幹事長代理の木原誠二氏は14年、自分の寄付金を自身の資金管理団体に還流させ、所得税控除など税優遇を受けていたことが判明している。

 また、参議院議員の松川るい氏は昨年、フランス研修の日程や内容、その様子を伝えるSNSへの投稿が批判された。公職選挙法や政治資金規正法とは直接的には関係がないとはいえ、「研修費用を適切に使ったか」という観点から見ると、これも立派な「政治とカネ」の問題だ。そして彼女は、朝日新聞が報じた9人の裏金疑惑議員の1人でもある。

次ページ:挙党一致を演出した可能性

前へ 1 2 3 4 次へ

[2/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。