保育大手「ポピンズ」で新たなパワハラ疑惑 社長が内部通報を疑い“1時間超の叱責”告発文書を入手
秘書から“お姫様”扱い
別の関係者によると、社員らは社長への不信感を募らせているという。
「社長が社内のメールサーバーやチャットの履歴を調べ、外部と連絡を取った形跡を探しているという噂があります。会長が退任し、これから会社を立て直していくかに思いましたが、そうした気概は社長の話からも感じられず、社員はガッカリしているようです。きっと社長の関心は、『誰が情報を漏らしたか』ということに終始し、この大変な時期を社員と一緒に乗り越えていこうという考えはないのでしょう」
「さすがにメールやチャットの監視まではしていないと思う」と関係者は話すが、社員らが疑心暗鬼になっているのは間違いないだろう。
「あの社長なら、社員に圧力をかけるのも容易に想像がつきます」と話すのは、数年前にポピンズで働いていた元社員である。
「中村氏のパワハラが明るみに出ましたが、轟氏も社員の扱いはひどかったです。社長はまるで“お姫様”のように扱われており、社長が会社に着いたら秘書がコートを脱がせ、外出する時も秘書がコートを着せなければなりませんでした。雑誌などの取材を受けるときは、秘書は大きな荷物を持って同行します。化粧やヘアスタイルを直すための道具だけでなく、ペットボトルで水を飲むと口紅が落ちるという理由で、ストローまで用意しなくてはなりません。何か足りないものがあると、会社に戻ってから長時間、説教されるというのが日常茶飯事でした」
適応障害やうつ病者が続出
秘書に対する轟氏の過剰な要求は、社内でも話題になっていたという。別の社員が明かす。
「社長は昼食に、会社の下にある高級スーパー『明治屋』の総菜を食べることが多かったのですが、秘書は買ってきた総菜を綺麗に皿に並べ、温めた上で社長に出さなければなりませんでした。社員は昼食を食べる時間もないくらい忙しいのに、社長は秘書にそこまでさせるのかと驚きました」
先の関係者もこう証言する。
「社長の秘書は3~4人で、毎年、新入社員を配属していました。どんなに優秀な新入社員も、社長の下で働いてしばらくすると、精神的に追い詰められます。かといってすぐに異動することは難しいので、結局は適応障害やうつ病などと診断されて休むケースが多いようです。当然、このことは社長も認識しているようですが、改善することはありませんでした。また、新卒だけではなくキャリアを重ねた秘書も次第に精神的に追い詰められていきました。社長自身、新入社員を秘書にするのをやめたほうがいいと考えたこともありましたが、結局、変わることはありませんでした」
ポピンズに見解を問うたところ、轟氏による社員への叱責行為については「弊社ではコンプライアンス方針に基づき、内部通報に関して専門窓口に於いて適切に対応しております」との回答があった。また、メールやチャットの監視、秘書に体調不良者が続出していることなどについては、「そのような事実はございません」との回答があった。