保育大手「ポピンズ」で新たなパワハラ疑惑 社長が内部通報を疑い“1時間超の叱責”告発文書を入手

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パワハラ被害者を叱責

 しかし、「轟社長は反省しているとは思えません」とポピンズの関係者は語る。

「そもそも前会長や社長による会社の私物化やパワハラの疑惑は、匿名の内部通報者が監査等委員に通報し、それを受けて社員らへの調査が行われたことによって明らかになりました」

 監査等委員は取締役の職務執行に対する監督機能を持ち、ポピンズでは従業員が不正行為などを内部通報する窓口にもなっている。ポピンズの「内部通報に関する規程」には、監査等委員会に通報した者に対して、当該通報をしたことを理由に不利益な取り扱いを行わない旨を定めているという。

 しかし、「轟社長は、調査に応じてパワハラ被害を報告した社員のAさんが内部通報したと疑い、社長室に呼び出し1時間以上にわたって叱責したのです」(同・関係者)

 社長に呼び出しを受けたAさんの上司であるBさんは、内部通報に関する規程に違反する行為があったとして、この件を12月24日に監査等委員に内部通報した。デイリー新潮は、その際に提出された文書の一部を入手した。

「この会社は潰れるかもしれない」

 昨年11月13日、轟氏は内部通報の“犯人”と目したAさんを社長室に呼び出すと、携帯電話、PC、ノートなど全ての荷物を秘書に預けるように指示した上で、《私に何か言うことはない?》と切り出したという。

 社員が「特に思い当たることはない」と答えると、轟氏は《あなたは大変なことをしたんですよ。あなたのせいでこの会社は潰れるかもしれないのよ。あなたは大変なことをしてしまったのよ! どうするんですか》と非難。

 さらに、轟氏はBさんについて《弁護士とかに相談して、この会社を潰そうと準備しているのよ》と名指しで批判。困惑するAさんに対し《相談する相手を間違えているのよ。あなたを信頼して話している、私が心を許していろんなことを話しているのに、選ぶ相手を間違えているのよ。そのことで会社は大変なことになるんですよ!》と繰り返し非難したという。

 先の関係者は「社長は退出時にAさんに対し『今日のことは絶対に話さないでください』と口封じまでしたと言われています。これが事実であれば、内部通報者や協力者を保護するという原則に反したことを、社長自らが行なっていることになります。会社は現在、私物化疑惑を含め社長に対する調査を行なっていると聞いており、社員の大半がどのような結果になるのか、また、会社が調査結果を公表するのかということも気にしています」と話す。

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