「今回の地震は中・長期的な前兆現象」 首都直下地震、南海トラフ地震との関係は…専門家が警鐘

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 能登半島地震のマグニチュードは7.6。熊本地震や阪神・淡路大震災の7.3をも上回り、そのエネルギーは約3倍に及ぶ。今回の地震のすさまじさを思い知らされるが、最大震度7のこの激震は、首都直下地震や南海トラフ地震の前兆といえるのか?

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 まずはこの地震がなぜ起こったかを整理しておこう。

「地震には主に海溝型と断層型の2種類があります」

 と解説するのは、京都大学防災研究所附属地震災害研究センターの西村卓也教授である。

「海中のプレート境界で起きる海溝型に対し、断層型の地震はプレート上の内陸の断層で起きる。今回の地震はこの断層型です。ズレた断層は能登半島を北東―南西方向に走っている。150キロほどの区間にわたり、能登半島側が日本海側に対して持ち上がりました」

地震のトリガーは?

 なぜズレが生じたのか。

「能登半島付近には、ユーラシアプレートと北米プレートの境界があり、互いに押し合っている。これによって断層に圧縮する力がかかり、ひずみがたまっていました」

 加えて地震のトリガーとして指摘されるのは、

「“流体”の存在です。能登半島の地下には東京ドーム20杯分の容積に相当する流体があり、それが徐々に上昇していた。2020年以前までは地下20~25キロあたりにあったのがここ2~3年で15キロ地点まで上がってきているのです。濡れた床が滑るのと同じ理屈で、断層に液体が入り込み、よりズレやすくなった。実際、20年からこの地域で群発地震が発生しています」

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