野菜のあく抜きは不要? 納豆は加熱すると酵素の効果が消える? 食べ方で変わる栄養効果を専門家が解説
魚を焼く時の注意点
肉に続いて魚の食べ方としては、やはりお刺身が一番です。イワシやサバといった青魚などの脂には、認知力を改善させる効果があるといわれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が豊富に含まれますが、焼いてしまうとどんどん流れ出てしまいます。従って、焼くのであれば、脂を逃がさないために網焼きなどではなくフライパンなどのほうがいいでしょう。衣をつけてフライにすることでも脂が逃げるのを防げます。
豚のショウガ焼きのところで触れたニンニクの話を紹介すると、電子レンジで急速に温めると独特の臭みが消えます。これは臭いの元であるアリシンが急激な熱変性によって失われるためですが、アリシンには血液サラサラ効果や抗酸化作用があるため、もったいない。アリシンの元であるアリインは細胞が破壊されることで活性化しますから、ニンニクのレンチンはできたら控え、細かく刻んだりすりおろしたりして食べるのが一番お勧めです。
野菜のあくは捨てる必要なし
次に、野菜から出る「あく」について説明したいと思います。あくは不要なものというイメージが強いかもしれませんが、栄養摂取の面から考えると、必ずしも「悪」ではありません。
家庭科の授業で、ゴボウやレンコンを調理する際、水に漬けてあく抜きするように教えられた経験はありませんか? ここには、調理後の「見た目」が大きく影響しているのではないかと思います。あくを抜くと煮た時などに奇麗な色になるからです。
しかし肉のあくは臭みといわれることがありますが、野菜のあくはうま味であり、捨てる必要はありません。ホウレンソウに含まれるシュウ酸は結石の原因となるためあく抜きなどの注意が必要ですが、ゴボウやレンコンはあく抜きをすることで、抗酸化作用のあるポリフェノールが流れ出てしまうのです。
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