【能登半島地震】避難所で性暴力から女性を守るには 物資と引き換えに行為を強要…“3.11”で報告された衝撃的な事例
「newsevery.」が紹介した「避難所チェックシート」
1月10日の「newsevery.」に話を戻すと、斉藤容子客員教授は「女性の避難生活で特に大切なこと」として以下を指摘している。
・生理用品など女性用品の確保と配り方
災害時でも女性は生理になる。こういう視点で女性による配布や女性用トイレに置く、女性用品を集めた物資スペースをつくるなど、生理用品などを求める人が誰でも手に入る環境が大切だ。
・トイレ
トイレ環境は本当に重要で震災関連死にもつながってしまうので、できれば男女別のトイレを設けたほうがいい
・洗濯、着替え
東日本大震災の後で被災した女性たちの証言には、避難所での着替えを布団の中で隠れて済ませたというものがあった。専用のスペースや洗濯物を干せるスペースが重要になってくる。男女別に設けることで、プライバシーを確保することが大切になる。
藤井貴彦キャスターと斉藤容子客員教授とのこんなやりとりもあった。
(藤井貴彦キャスター)
「東日本大震災では避難所の運営の96%から97%程度が男性主体だったというデータがあるということで、女性が運営に携わるということも大切なんでしょうか」
(斉藤容子・関西国際大学客員教授)
「もちろんですね。男性は多くがリーダーを担っていらっしゃるんですけども、男性は男性のリーダーということで疲弊をされていく方も多くいらっしゃるわけですね。そうするとやっぱり、どちらか一方の性でまかなうのではなくて、みんなでいろいろなニーズがあるんだから、みんなで考えようという視点でやっていかないとと思います」
内閣府の男女共同参画局が作成した「避難所チェックシート」も紹介していた。そこには「管理責任者には男女両方を配置している」「男女一緒に行う防犯体制がある」「就寝場所や女性専用スペース等への巡回警備が行われている」「(トイレは)安全で行きやすい場所に設置されている」など多岐にわたる項目がある。
藤井アナが「避難所チェックシート」を紹介したのは、阪神淡路大震災や東日本大震災で明るみに出た避難所の問題を意識していることは明らかだ。
避難所の環境整備は今後、急ピッチで進められている。現地の避難所にトイレや簡易ベッドなどが揃っていくなかで、ぜひ運営者に「女性」が入っているのか、プライバシーや安全が確保されているのかも確認してほしい。
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