JAL機炎上事故で逮捕者は出る? 専門家は「捜査に1年以上かかる可能性も」
長期化必至の捜査
事故の原因を作ったともいえる機長は、負傷から回復したのちどうなるのか。元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士によれば、
「捜査は、1課の中でエレベーターや自動ドアの事故など『特殊過失』を扱うチームが手掛けていると思われます。特殊過失は『事実の確定』と、そこから何を過失として捉えるかという『過失の法的評価』が難しく、時間を要する。かつて私が潜水艦なだしおの事故を扱った時にも1年以上かかりましたが、今回の捜査も同程度の期間に及ぶと予想されます」
となると、
「逮捕者は出ない可能性が高いでしょう。逮捕後は20日ほどで起訴の可否を判断しなければならず、また長期間の捜査中に逃亡していなければ、身柄を拘束する必要もない。5人が亡くなっていることから、海保の機長だけでなく管制官とJALのパイロットも書類送検されるでしょうが、最終的に誰が起訴されるかは過失割合次第です。例えば海保8・管制1・JAL1であれば海保だけが起訴され、他は不起訴または罰金で終わるのでは。また4対4対2となれば、海保と管制官が起訴される可能性もあります」
すべては、長い調査を経たのちの“過失評価”にかかっているというのだ。