JAL機炎上事故で逮捕者は出る? 専門家は「捜査に1年以上かかる可能性も」
世界でも有数の混雑
事故のあった羽田空港の「混雑」ぶりは、世界でも有数だという。さる国交省関係者は、
「羽田では、実に3分に1回の頻度で離着陸が繰り返されています。まして現在は、被災地への救援便も飛ぶイレギュラーな状況。今回の海保機は新潟への出発が予定より遅れていたこともあり、気が急いて『ナンバーワン』の指示を『離陸許可』と取り違えてしまった可能性も否めません」
というのだが、重傷を負って搬送され、現在はICUで治療を受けているという宮本機長は事故直後、
〈管制から離陸許可が出ていた〉
と話しており、少なくとも交信を聞いていた副機長も同じ認識だったとみられている。
「衝突後、機体より自力で脱出した宮本から羽田航空基地に電話があり、『滑走路上で機体が爆発した。自分は脱出した。その他乗組員については不明』と報告を受けています。映像では接触後にすぐ炎上しているので、宮本は機体から離れて安全な場所へ移動したのち、所持していた携帯電話の電源を入れて連絡したと思われます」(海上保安庁広報室)
宮本機長の来歴
当の宮本機長は、総飛行時間3641時間1分のベテランだという。海保関係者が言う。
「宮本は高校卒業後、幹部職員を養成する広島県呉市の海上保安大学校へ入学し、2007年3月に卒業しています。卒業後は研修生として9カ月間、最後のトレーニングを受け、その後は9カ月間の乗船。それらを経て08年9月から航空要員となりました」
副操縦士などの経験を積んだのち、
「17年2月には今回搭乗していたボンバルディア機の機長認定を受け、以来、機長としての飛行時間は1149時間余り。途中、17年4月から2年間、本庁(東京・霞が関)の警備救難部管理課で地上勤務し、また機長職に戻っています」
とのことで、
「パイロットになるには大学校卒業後、自衛隊の施設に通って実技を学び、国家試験を受けて免許を取得するのですが、これは海保全体で1割ほど。船に乗る一般的な隊員に比べて着任まで時間がかかるため、よほど強い意思がなければ成しえません」
大学校を紹介するパンフレットで宮本機長は、
〈様々な事案や状況に対し、臨機応変に対応しなければなりません〉
そうつづっている。が、過失とはいえ指示を誤認した結果、5人の同僚を亡くしてしまったのだとすれば、この上なく重い十字架を背負っていかざるを得ないのだ。
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