「上司の愛人だった妻」「シングルマザーの実母」二人の秘密を知ってがく然…50歳「不倫男性」の心境「僕には女難の相があるのでしょうか」
浮気に気づいた妻に問い詰められ…
あの日、もしそういうことがなかったら自分は崩壊していたかもしれないと和喜さんは言う。それほど心がさまよっていたのだ。
「そのまま何もなかったことにもできたけど、やはり彼女とは会わずにいられなかった。会えば関係をもつことはわかっていた。彼女は『しばらくふたりで会うのはやめよう』と言ったんです。でも、いや、だからこそ僕はなんだか意地になって『会いたい。どうしても』とすがった。そして関係を持ちました。それがよかったのかどうかわかりませんが」
紘子さんは長年、夫とレスだったと打ち明けた。彼自身もそうだった。今度はその点で結びついた。だが、「一度きり」と彼女は言い、その後はまた友人関係に戻った。
「彼女のそのあたりの割り切りが見事でしたね。僕は再度チャンスがやってくるはずだと思いながら、彼女との友人関係を続けました。50歳手前の同期同士が居酒屋で会っていたって、そう簡単には疑われないと思っていたんです」
ところが麻美子さんは勘づいたようだ。なんだか様子がおかしいとある日、問い詰められた。迫ってくる妻が怖かったと彼は言う。
「オレはきみと違って浮気なんてしないよと言ってしまったんです。妻は激怒しました。『本当は結婚後も関係があったんだろう。みんなが知ってるよ』と当時言わなかったことまで言ってしまった。妻は急に黙り込み、それから数日間、顔も合わせずに過ごしました。結局、僕が『心にもないことを言った。ごめん。僕自身は浮気してないから』と妻に許しを乞う形でいったんは落ち着きました」
ただ、内心穏やかではなかった。紘子さんに会い、「一緒に暮らそう」と口説いた。もう家庭などいらない。心安まる人と一緒に過ごしたい、と。「逃げだよ」と紘子さんに言われて「逃げて何がいけない?」と開き直った。「逃げた先にきみがいるなら逃げてもいいと思う」と説得した。
「最終的には紘子も『わかった。私も人生変えたい』と。コロナ禍で在宅ワークになったり出社時間が不規則になったりしたこともあって、逆に会う時間がとれたんですよ。あのころは1日おきくらいに会っていた。僕も不安定だったけど、紘子も夫との関係が行き詰まっていたみたい。本気で駆け落ちするつもりでした」
[4/5ページ]