プロ野球に65年ぶりの新球団が誕生!“超低空”のアンダースローや準硬式出身の「異色右腕」にスカウト陣が大注目

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11勝1敗、防御率リーグ3位の注目株

 まずは新潟の選手から。最も期待できるのは、神奈川工大出身のアンダースロー、下川隼佑だ。大学時代は目立った実績は残していないが、新潟入団後に大きく成長した。2年目の昨年は11勝1敗、リーグ3位の防御率2.38という見事な成績を残している。手が地面に触れそうな低い位置から投げ込む独特のボールの軌道は、大きな武器となっている。しかも、130キロを超えるスピードがあり、打者の“体感速度”はかなりのものがあることは間違いない。

 投球テンポの良さも抜群で、バックの野手が守りやすいというのも持ち味だ。昨年のドラフト会議では残念ながら指名がなかったが、独立リーグ選抜として出場した10月下旬のフェニックスリーグでも3試合、8回を投げて無失点、10奪三振と見事な投球を見せている。今年も、昨年同様のパフォーマンスを見せれば、再びドラフト候補に浮上しそうだ。

 続いて、新潟に新しく加入する投手。筑波大から入団した右腕の山田拓朗だ。川越東高校時代は埼玉県内で目立つ選手ではなかった。大学進学後、フィジカル面の強化とフォーム改良によって、ストレートはコンスタントに150キロを超えるようになった。4年秋のリーグ戦は、抑えとして多く起用された。5試合、7回を投げて3失点ながら、イニング数を大きく上回る12奪三振をマークしている。

外野手に転向した本格派サウスポー

 秋のリーグ戦での山田を視察した、関東地区を担当するNPBのスカウトは「ストレートだけなら大学生のなかで上位ですね。変化球がよくなれば、リリーフとして面白いと思います」と話していた。現在は三振も多いが、四死球も多いというのが課題だが、フォームのバランスも悪くなく、大きく成長する可能性を秘めている。イースタン・リーグの打者を相手に自慢のストレートをアピールできれば、ドラフト指名への期待が膨らむ。

 野手からもう一人。社会人野球の沖縄電力から移籍した、外野手の知念大成だ。
沖縄尚学出身の知念は、リチャード(現・ソフトバンク)と岡留英貴(現・阪神)の1学年下で、当時から県内で本格派サウスポーとして評判だった。高校卒業後、沖縄電力に進むと、打撃を生かして外野手に転向した。

 昨年9月に行われた日本選手権の九州地区予選では5試合で10安打を放ち、打率.526とトップバッターとして十分な役割を果たしている。投手時代とは見違えるほど体格が立派になり、下半身の強さを生かしたスイングで広角に鋭い打球を放つことができる。

 また、ライトから見せる強肩も大きな魅力で、外野手としての能力が高い。今年は、社会人野球に有力な外野手が少ないだけに、イースタン・リーグで結果を残せば、知念がドラフト候補に浮上してくる可能性はありそうだ。

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