クローザーでの起用も…不思議な投手・元阪神「馬場皐輔」を阿部巨人はどう使うか
「馬場ワールド」
馬場について、中西清起氏(61)や金村暁氏(47)といった阪神OB、コーチ経験者たちが自身のYouTubeチャンネルなどで「巨人で活躍できる」と語っていたが、周囲からは不思議な投手と見られている。阿部監督が現役ドラフトで馬場を一本釣りした理由は「強いボールを投げられるから」だが、元阪神選手からはこんな声が聞かれた。
「馬場ワールドという言葉があったんです。ビハインドゲームや走者を背負った場面で出てきても、馬場は雰囲気がノホホンとしていて、ピンチの場面でも和むというか、良い意味で緊張感が解れるんです」
練習でも馬場は“珍しいタイプ”のようだ。春季キャンプ中、馬場がブルペン投球をしていると荒れ球ばかりで、投手コーチやスタッフも顔をしかめていた。だが、その直後のシート打撃でマウンドに行くと、ストライクゾーンにキレキレの剛球を投げ込み、「さっきまでのブルペン投球は何だったんだ?」と、周囲も首を傾げていたという。シーズン中は150キロ台半ばの剛速球を続けざまに投げ込んでいたので剛腕のイメージも強いが、
「変化球は全種類とも投げられるはず。実戦で投げていたのはカットボール、スライダー、フォークだけでした。本人が『試合で使えないレベル』と判断したからですが、ジャイアンツに行ったら、首脳陣に一度、チェックしてもらったほうがいい。使えるかどうかは、本人が勝手に判断しているだけですから」(前出・元阪神選手)
器用な一面もあるようだ。もっとも、「ブルペンでは絶好調でも、実際に投げたら真逆」なんてこともあった。こうした“不思議さ”が阪神での出場機会を少なくさせていたが、阿部監督は「カットボールの軌道が独特」とも評しており、大勢に取って代わってクローザーになる可能性も十分にある。
救援陣のキーマン
「近年の馬場は、試合で使ってもらいたい一心でリリーフ調整をしていました。ですが、現役ドラフトが終わった直後、阪神からは『先発で使ってくるのではないか』と警戒する声も聞かれます」(前出・在阪記者)
その場の雰囲気を変える力があるのなら、ビハインドゲームで投げさせることも可能だ。23年、巨人の逆転ゲームの成績は27勝30敗。先取点を奪われた試合は21勝51敗で、再逆転されて負けた試合は11もある。阪神が再逆転負けを喫した試合は4だから、巨人はいったん劣勢になると、悪い流れを断ち切れないでいた。こうした劣勢のチーム状況を馬場に変えてもらえば、逆転勝ちの試合数も増えていくはずだ。
阿部ジャイアンツにおける外国人選手の出場登録と絡んで、こんな指摘も聞かれた。
「外国人選手は、今のところ、4人。グリフィン(28)、メンデス(28)、バルドナード(30)、ケラー、4人ともピッチャーです。強打のスラッガーを調査中との情報もあり、外国人野手が一人もいない状況は考えられません。これから獲得する外国人選手を試合で使うため、リリーフのバルドナードかケラーを出場登録から外さなければならない日も出てきそう。そうなると、馬場が救援陣のキーマンになるかもしれません」(前出・スポーツ紙記者)