【能登半島地震】「来ないで!」と言われる被災地で、各局のキャスターは何を語ったのか 群を抜いていた元NHKアナ

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 他にもNHK「ニュースウオッチ9」の田中正良キャスターが、1月4日と5日の2日間にわたって現地からリポートを伝えた。

 テレビ朝日「報道ステーション」の大越健介キャスターも、1月5日と週末をまたいだ1月8日に現地から中継した。珠洲市の春日神社から中継した5日の放送では、珠洲市内をくまなく取材。津波が押しよせた際に人びとが避難し、現在は支援物資の集積場所になっている高台に着目、そこの関係者に話を聞いていた。記者として現場を歩くという日頃の訓練を活かした取材だったといえる。取材力の高さが発揮されていた。8日には七尾市から中継したが、施設に通う知的障害者たちの避難生活を取材し「災害弱者」の問題に目を向けていた。

 フジテレビの夕方ニュース「イット!」キャスターの榎並大二郎アナも、1月8日に七尾市から中継していた。ただ、こうした取材はあまり経験がないのか、ぎこちなさが目立っていた。中継の最後も、こんな堅苦しい決意表明だった。

「お一人お一人に心を寄せてこれからも被災された地域の現状をつぶさにお伝えしていきたいと思います」

 日本テレビ「真相報道 バンキシャ!」の枡太一キャスターは、1月7日に七尾市から生中継で伝えた。能登地震コーナーの最後で「私たちにできること」として、枡キャスターは以下のようにコメントした。

「私が取材した範囲では集まっている物資の量自体が足りていないというわけではけっしてなく、むしろ様々な被災者の方の色々な声にそれぞれどう答えていくのかが難しくなってくると感じています。ですから使用期限がなく柔軟な使い方ができる義援金は、この先、間違いなく助けになっていくと感じます。形が見えるもので直接助けたいというお気持ちもあるかと思いますが、間接的に助けることもその志の意味は変わらないと思います。

 そしてもう一つ。地震津波訓練が実際に役に立ったという声を被災者の方から聞きました。避難する時に向かう場所を家族の中でしっかり共有しいていたことで、地震当時、みんな違う場所にいたけれど、あそこに行けば必ず集まれると躊躇せず、まっすぐ最短で避難できたという家族が実際にいらっしゃいました。(中略)今、テレビの前のみなさんは地震訓練の内容を覚えているでしょうか。家族の約束事は出来ているでしょうか。ご高齢の親族と連絡は取れているでしょうか。日々の暮らしの中で示すことができる一つの誠意のかたちであると私はいま感じています」

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