師匠からは「チャド、今日は負けてもしょうがないよ」 曙にとって“特別な相撲”になった一番とは
昭和の終わりから火が付き、平成に入って本格化した相撲ブーム。若貴兄弟の人気もさることながら、そこに立ちはだかるライバルとして輝きを放った存在が、外国人力士初の横綱となった曙だ。“ヒール役”外国人力士の先駆けといえる存在だが、当の曙自身は「そんなことを気にする暇がない」ほど相撲に集中していたという。当時の若貴と一緒に感じていた「使命のようなもの」とは?※双葉社「小説推理」2012年4月号掲載 武田葉月「思ひ出 名力士劇場」から一部を再編集
昭和63年春場所、相撲界は新しい期待感に満ち溢れていた。...