「藤井さんに負けてから将棋へのモチベーションが…」 永瀬拓矢九段が王座戦死闘で感じた「藤井八冠が負けない理由」

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「先のことは考えたことがない」

 藤井一強時代に突入した将棋界。誰が藤井の牙城を崩すか。メディアは「ネクスト藤井」を探しており、藤井より年下の棋士に注目する傾向がある。だが過去、藤井に最も肉薄した棋士は永瀬なのだ。2024年は何を目標にするのだろうか。

「先のことはあんまり考えたことがないですし、聞かれても困るんです」

 苦笑しつつ、永瀬はこう続ける。

「生きているとは思うんですけど、それぐらいしかわからない。現在が未来につながっていくので、今をどうするかが大事です。だから毎日、精いっぱい過ごすしかありません」

 痛みを振り切った先に、藤井とのリベンジマッチが待っている。

大川慎太郎(おおかわしんたろう)
将棋観戦記者。1976年、静岡県生まれ。日本大学法学部新聞学科卒業後、出版社勤務を経てフリーとなる。2006年より将棋界で観戦記者として活動。著書に『藤井聡太ライバル列伝』『証言 羽生世代』など。

週刊新潮 2024年1月4・11日号掲載

ワイド番外編「『永瀬卓矢九段』インタビュー『藤井聡太』との『王座戦死闘』で感じた『八冠が破れざる理由』」より

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