広まる「官製婚活」 東京都が始めたマッチングアプリの売りは「結婚していない証明書」 参加費1000円の「激安お見合いパーティー」実況中継

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カップルも成立。参加者は「また行きたい」

 だが、全員で休み処を出て庭園内を散策するフリータイムになったものの、意外とみんな大人しくて会話が盛り上がっていない。ポツンと集団から外れて歩いている男性も…。

「まだ若いからですかね。なかなか動きませんねぇ」
「さっき30代の部屋を見たら大盛り上がりだったんですが…」

 やきもきしながら話しているのは、都の生活文化スポーツ局都民活躍支援担当の職員だ。イベントの運営自体は、民間企業に委託して任せているが、都の職員も休日出勤してイベントの成功を見守っているのである。

 最初は不安視されたフリータイムだったが、しばらくすると庭園内のあちこちから笑いが沸き起こるようになった。都の職員たちもホッとした様子。休み処へ戻ると、お待ちかねの「連絡先交換タイム」となる。

 参加者は配布された用紙に、自分の連絡先と気になった相手を3人まで書いて、封筒に入れて運営に託す。もし相手も自分を指名してくれていたら、相手の連絡先が封筒に入って戻ってくる仕組みだ。早速、封筒を開いてニンマリしている参加者もおり、どうやら何組かのカップルが成立したようだ。

 約2時間のイベントを終え、会場を出ていく参加者に感想を聞いてみたが概ね好評だった。

「やっぱり、自治体が運営しているというところに安心感があります。女性にはどうしても既婚の男性が紛れているんじゃないかという不安があるので、独身証明書が必須な点がありがたい。また利用したいと思います」(会社員の20代女性)

「民間の業者だと多額のお金がかかるんじゃないかという心配もあるが、都のイベントだとそういう心配がない」(20代団体職員)

「マッチングアプリでデート商法に巻き込まれるという話を聞いたことがあるが、独身証明書付きなので安心して参加できた」(20代メーカー勤務)

 参加者が口を揃えたのはリアルな世界で、出会いの場が減っているという悩みだ。「コロナ禍で出会いが減ってしまった。出会いを求めて仲介業者を利用する人は周囲でも増えています」(前出の20代女性会社員)。一昔前と違って、「マッチングアプリ」や「婚活パーティー」は婚活の必須ツールになっているのだ。

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