「岸田首相みずから最後のチャンスを潰すことに」 麻生元首相がトップという政治刷新本部の泥船ぶり

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最高顧問に麻生氏と菅氏

 岸田文雄首相は東京地検特捜部が捜査を進める自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受け、自民党に「政治刷新本部」を1月10日に立ち上げ、11日に初会合を開いた。最高顧問には麻生太郎副総裁と菅義偉前首相の2人を配してバランスを取った形だが、早くも「何を考えているのか?」「これだとやる意味がない」「最初から結論が見えている」などといった声が与党内から出ているという。

「10日に立ち上げられた政治刷新本部は本部長を岸田首相が務め、最高顧問に麻生太郎副総裁と菅義偉前首相を配し、茂木敏充幹事長や森山裕総務会長、渡海紀三郎政調会長、小渕優子選挙対策委員長ら党の執行部も入り、実務は木原誠二幹事長代理が担うことになりました。小泉進次郎元環境相ら青年局長経験者や外部の有識者も参加して幅広く、忌憚のない意見が飛び交う場にしたいとの思いが当然あるようです」

 と、政治部デスク。1月中に中間のとりまとめを行うとされるが、早くもその存在意義が疑問視されているという。

派閥大好きと脱派閥論者

「麻生氏は派閥大好きで、コツコツ子分を増やして今の党内第2派閥を作り上げた人物ですよ。派閥大好きなだけに派閥を抜けて行った佐藤勉元総務相などに対してはものすごく厳しい態度で臨んでいたりしますね。第1派閥の安倍派は特捜部の捜査前から空中分解一歩手前でしたから、ハンドリングが出来ているという意味では現在、第1派閥と言ってもよいかもしれません。もちろん、完全な一枚岩ではないですが」(同)

 一方の菅氏はかねて脱派閥論者で、首相就任後、派閥を抜けなかった岸田首相に対して「派閥政治を引きずっている」と苦言を呈したことがある。

「まぁ本人もシンパを集めたグループを作っているので、真っ向から脱派閥を主張するわけには行かないでしょうけれど、“派閥への過度な依存を脱し、政治改革を”といったスローガンは打ちだしやすいと見られています」(同)

 問題は、派閥大好き元首相と脱派閥論を唱える前首相とが顔をそろえているということなのだろう。

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