「すぐそばにミサイルが直撃」「一度泣いたら涙が止まらない」 ガザの日本人看護師が証言する“死の恐怖”

国際

  • ブックマーク

「人前では絶対に泣かないと決めていましたが…」

 ここでの川瀬氏は、オフィスに敷いたマットレスで雑魚寝する日々。食事は主にトマトやキュウリなどの野菜のほか、卵やパンを口にしていたそうだ。

 気丈に語る川瀬氏だが、最初の退避からひと月の間には3回ほど精神的な辛さのピークがあったと振り返る。

「人前では絶対に泣かないと決めていましたが、一度泣いたら涙が止まらなくて。その都度、チームの誰かが“感情は出していい”“我慢は良くない”って寄り添ってくれました。彼らの支えは本当に大きかった」

 涙を拭った川瀬氏は、いまもガザ地区に残る仲間のサポートに奔走している。

週刊新潮 2024年1月4・11日号掲載

ワイド特集「『昇り龍』か『堕ちし龍』か」より

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。