「初動が遅すぎ」「逐次投入」と自衛隊の災害派遣に批判殺到 自衛隊関係者が「逐次投入がベスト」と言う根拠
自衛隊の“世界一のノウハウ”
「第1空挺団も批判は分かっていたと思います。アメリカやイギリス、カナダなど8ヵ国の軍も参加しましたので、中止は難しかったのかもしれません。ただ一般に公開したということは重要で、これは実施しても問題はないと判断したからでしょう。つまり被災地から応援の要請がなかったと考えられます。もし被災地でヘリも人員も足りていないのなら、降下訓練始めは中止されたか、規模を縮小したはずです」(同・関係者)
Xには「第1空挺団の隊員に薬や水を持たせ、被災地にパラシュート降下させればよかった」という意見も散見される。これも技術的には可能だが、隊員が孤立してしまう可能性がある。やはり“自己完結”が不可能となり、隊員が被災者になってしまう。
「率直に打ち明けると、熊本地震で自衛隊員の派遣人員が万単位になって以降、仕事のない隊員が目立ったのは事実です。また自衛隊は災害派遣が専門ではありません。災害派遣されると訓練が行えないため、軍隊としての練度は確実に落ちます。自衛隊は国防が最も重要な役目ですので、バランスを保ちながら適切な人員を被災地に送ります。そして自衛隊は東日本大震災を筆頭に様々な震災を経験してきました。災害派遣に関しては世界一のノウハウを持っています。そう簡単にミスを犯すはずもなく、今回の批判は的外れのものが多いと言わざるを得ないのです」(同・関係者)
註1:自衛隊投入は「後手後手」 能登地震で秋田知事(時事通信電子版・1月9日)
註2:自衛隊派遣、なぜ小出し?熊本地震時の5分の1 対応できない救助要請たくさんあったのに…首相の説明は(東京新聞電子版・1月6日)