樋口可南子も宮沢りえも…篠山紀信さんの写真に一切の作風が生じなかったのはなぜか
稀代の写真家、篠山紀信さんが老衰のため亡くなった。享年83。山口百恵、樋口可南子、宮沢りえといった時代を象徴する被写体を求め、彼女らの写真集は社会現象となった。巨匠・篠山紀信とは一体何者で、その写真は何を表現していたのか。かねて取材を続けてきたライターの山内宏泰氏が迫る。
***
アート分野のライターとして、篠山紀信さんをしばしば取材してきた。
コロナ禍前の初冬のある日も、東京・赤坂のアトリエに呼ばれた。以前から申し込んでいたインタビューに応じてくれるという。...