【田中角栄邸全焼】真紀子氏は「線香をあげていた」と証言 消防関係者は線香火災の危険性を指摘「ドアを開けた途端、一気に燃焼することも」

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見えなくても燃えている

 続いて線香。一本の線香をクッションの上に火をつけたまま置く。5分、10分……線香はそのまま煙を出し、燃えたところは灰になっている。約45分で線香は燃え尽きた、クッションの上は灰があるだけなのだが、

「線香の火種は無炎燃焼といって、炎が出ません。そのため火災を覚知するのは難しいのです。しかし内部では燃え続けており、外的要因、たとえば入口の扉を開けて空気がさっと入ったことで一気に燃焼することもあります。火種は小さくとも、動画のように仏壇の線香が座布団に落下し出火したとか、夏の時期は蚊取り線香の上に誤って布団をかける、カーテンが当たって出火するなどの事例もあります」

 日ごろから掃除・手入れを怠ってはいけないのが香炉である。長く使っているとたまった灰が周囲に落ちる。香炉の下に香炉皿を使用していても同じこと。常に手入れをして、香炉の中にある、線香の燃えカスも掃除することが大切だという。

「火種が引火する可能性があります。とにかく、火災予防の要点は整理整頓。仏壇やその周囲には、ろうそくや座布団 など、燃えやすいものを置くだけに、充分な注意が必要です。大事なことは、ろうそくや線香をつけたまま、外出や睡眠など、その場を離れないようにすることです。必ず火を消すか、線香なら燃え尽きるまで仏壇の近くにいてあげてください」

 線香火災は墓地周辺でも起こる。着火した時の火種が飛んで枯れ草に引火したり、線香そのものが風に飛ばされたりしたケースもあるという。くれぐれもご用心を。

デイリー新潮編集部

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