【田中角栄邸全焼】真紀子氏は「線香をあげていた」と証言 消防関係者は線香火災の危険性を指摘「ドアを開けた途端、一気に燃焼することも」
ろうそくと線香には注意
東京消防庁がまとめた令和4年中の火災発生状況によると、住宅火災は1611件。その出火原因は「こんろ」が318件(うち、ガステーブル240件)と最も多く、「たばこ」230件、「ストーブ」98件と続く。また、総務省消防庁がまとめた「消防白書」(令和4年版)によると、全国の令和3年中の住宅火災の発火源別死者数は(1)たばこ(131人)(2)ストーブ(109人)(3)電気器具(82人)となっている。
「たばこ」が火災の主原因になっているのは相変わらずだが、東京消防庁の統計で見逃せないのが、「ろうそく」の33件。住宅火災全体の2パーセントとはいえ、二桁の火災を生んでいる。また、「消防白書」の死者数でも「ろうそく、灯明」は26人いる。
この「ろうそく」と切っても切れないのが「線香」である。
福島県の郡山地方広域消防組合では、数年前から春の彼岸を前に「ろうそく・線香等からの火災予防」を広く呼び掛けている。担当者によると、
「当組合管内では、2012年から2021年までの10年間で、ろうそく・線香が原因の住宅火災が23件発生し、1人の死者、9人のけが人を出しています。春のお彼岸の時期は、空気が乾燥していますし、火災が起きやすいので、ろうそくと線香を使う機会が増えるこの時期に注意をよびかけています」
さらにホームページ上の「郡山消防YouTubeチャンネル」では「ろうそくや線香から火災にいたる様子」を実験した動画を公開している。火のついたろうそくの上で手を伸ばし、仏壇の奥にあるものを取ろうとする実験では、2~3秒で服に着火し、あっという間に衣類が燃える様子が映っている。
「衣類の素材にもよりますが、意外と火の回りは早い。仏壇の中は狭く、奥の物を取るのに気を取られてしまうのです。また、ろうそくの近くに供花を置くと、そこに燃え移るケースもありますので、充分に注意して頂きたいです」
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