【田中角栄邸全焼】真紀子氏は「線香をあげていた」と証言 消防関係者は線香火災の危険性を指摘「ドアを開けた途端、一気に燃焼することも」
昭和政治の舞台が全焼
「マッチ1本、火事のもと」とは、古くからある防災標語だが、火災予防運動が本格化するこの時期、「線香一本」も同じであることを肝に銘じたい。
1月8日午後3時20分ごろ、東京都文京区目白台の田中角栄元首相の邸宅だった木造2階建て住宅から火が出た。ポンプ車など20台以上の消防車両が消火にあたり、出火から6時間ほどたった午後10時前に火は消し止められた。当時、邸内にいた田中真紀子・元外相(79)と、夫の直紀・元防衛相(83)の二人にけがはなかった。
2階建て住宅の延べ800平方メートルが全焼したが、真紀子氏は東京消防庁や警視庁に対し、
「(火元となった建物で)線香をあげた後、ガラスが割れるような音が聞こえて、気づいたら火事が起きていた」
と説明しているという。翌9日から現場検証と共に火災原因調査が始まっている。詳細な出火原因とその特定は先になるが、現場付近は日本女子大学や、公園もある住宅街。一時は交通規制も敷かれ、騒然となった。
「あなた方は知らないだろうけど、あのお家は田中角栄さんの自宅でね……」
ある地元住民は、取材に訪れたマスコミ各社の記者にこう語った。「目白御殿」といっても隔世の感を禁じ得ないかもしれない。田中元首相が健在の頃は、多くの国会議員や支持者たちが、年始の挨拶と陳情に訪れた「昭和政治の舞台」でもあった。
その歴史ある建物が跡形もなく焼け落ちる……あらためて火災の怖さを痛感するが、現時点で判明している、火災原因ではないかと思われる「線香」について、SNSでも様々な意見が飛び交っている。
〈毎日、仏壇に線香をあげているけど、怖くなった。大丈夫?〉
〈線香の火で、家がなくなる火事になるの?〉
〈あれほどの火事なのに、なんで早く気付かなかったのか?〉
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