羽生結弦のメディア批判はなぜ矛盾しているのか 「元妻側を否定するのは言行不一致」「幼さを感じる」

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「チーム羽生」を忖度する空気

 昨年、突如として「スピード離婚」を発表したプロフィギュアスケーターの羽生結弦(29)。昨年末にはSNSで感情をあらわにメディアを痛烈に批判するなど、これまでの羽生のイメージとは異なる行動が…。

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 昨年12月26日、羽生は自身の公式SNSで、こんなメッセージを発した。

〈酷い“妄想”とか、“想像”や“嘘だけ”で記事になっててびっくりします

すごいですね 訴訟して勝ってもなにも良いことないのでしませんが〉

 さらに彼の公式インスタグラムでは、以下の直筆メッセージが投稿されたのだった。

〈10代の頃からずっと、嘘や妄想や、出会ったことすらない関係者さんの話で記事が出ますが…面白いですね ありったけの体力と精神と技術と、自分を、スケートに込めていきます。〉

王国を築いてきた自負

 ファンの中にも首をかしげる者が出るほどの痛烈なメディア批判。念頭にあるのは、元妻の末延麻裕子(すえのぶまゆこ)さん(36)の近況と再出発への決意を初めて伝えた「週刊新潮」や、彼女の近しい人物からの痛烈な批判インタビューを掲載した「週刊文春」あたりだろうか。

 それらのメディア批判を偽らざる本音として発信した羽生は、礼賛記事しか掲載されないように自らの王国を築いてきた自負があるのだろう。

「週刊新潮」1月4・11日号で報じたように、現役時代から羽生を支えてきた母や姉らは「チーム羽生」としてメディア対応にあたってきた。たとえばスポーツ紙の取材で意に沿わないものがあれば、競技に関係ないとしてはねつける。

 メディア側も需要の高い羽生にインタビューなどの取材ができなくなることを恐れて、いつしか「チーム羽生」を忖度する空気が生まれていたという。

「相手側を否定するのは言行不一致」

 離婚時に羽生が発したメッセージに疑問を呈し、注目を集めたジャーナリストの江川紹子氏に聞くと、

「羽生さんが離婚した際に〈許可のない取材や報道〉という言葉が独り歩きして、“マスコミけしからん”との声が一般の人たちのSNSなどから随分と発信され、報道のあり方について誤解が広まる危惧を覚えました。メディアは異なる立場の人の意見を聞いて、世間が何を信用するか判断材料を提供しているわけです。取材に許可が必要となれば、メディアは相手の都合のいい話しか報じられない広報媒体と化してしまう。羽生さんのメッセージを見る限り、自分の望む通りにメディアや世間一般を染め上げたい印象を受けますが、それは非常に危ないことです」

 そう指摘した上で、江川氏はこうも言う。

「しかも今回、末延さん側に立った報道に対して〈嘘〉や〈妄想〉などというのは失礼な言葉です。『お相手を守るため』に離婚しながら、相手側を否定するのは言行不一致ですし、事実でないならハッキリとこの部分が違うと主張するのが大人の流儀ではないでしょうか。羽生さんの発信は〈10代の頃からずっと〉と匂わすだけで、どんな被害を受けたのか、具体的に何の報道か明確に指摘しない。メディア全体への不信をばらまくばかりで、残念ながら幼さを感じてしまいました」

 1月10日発売の「週刊新潮」では、急に「さわやかキャラ」を捨てた羽生の現状の読み解き方などと併せて詳しく報じる。

週刊新潮 2024年1月18日号掲載

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